光小トップ研究算数科トピックス
 
「前に・・・」に続く言葉は?
2020/07/03
 みなさんは,「前に・・・」に続く言葉は何を連想されますか。「前にすすむ」,「前に行く」などではないでしょうか。

 2年生で日常生活に密接に関連する「時計」について学習しました。この単元でのキーワードは「時刻と時間の違い」,「前と後の違い」です。

時刻と時間の違いについては,ニュースで流れる「ただいまの時刻は7時です」から違いを見出す子や「10分間」と「間」で同じ漢字が使われていることから見出す子,中には「9時から9時45分までは45分間。間の時間だから45分間は時間!!」と全体に説明できた子もいました。

 もう一つのキーワード,「前」と「後」。子どもたちに「1時間前」は時計の針は進むか戻るか聞いたところ,半分以上の子が自信をもって「進む!!」と言いました。冒頭でも取り上げたように,「前」という言葉から日常生活で培った感覚として,視線の先という意味で「前にすすむ」と関連付けたのではないかと思います。半分以上の子どもが「えっ!?」となる,この瞬間に理解が一番深まるチャンスだと感じました。

 順序としての「前」に気づいてもらうために,一年生で学習したことを生かし,数の順序に着目して1〜12の数字を板書しました。「6の1つ前は?」「5!!」,「6の1つ後は?」「7」。そこから数字を時計と同じ配列で並べ同じように聞くと,「6の1つ前は?」「5・・・あっ!1時間前は時計の針は戻る!!」という声が聞こえてきました。子どもたちの理解が深まった瞬間でした。

 時計は日常生活に密接な分,言葉の意味としてとてもつながりが深い単元だと思いました。(山本)

問いは続くよ,どこまでも!
2020/07/03
6年生で行った最近の授業のことです。
子どもたちに,
「1/3dLのペンキで机を5/8uぬれました。このペンキ1dLでは,何uぬれましたか?」と問題を提示すると,
「先生,色々な式があるんじゃないの?」と子どもの問いが生まれ,それに寄り添ってみますと,クラス全体から3つの式が発表されました。
1つ目は1/3÷5/8,2つ目は5/8÷1/3,3つ目は5/8×3です。
最初は,2つ目と3つ目で大きく意見が割れていたのですが,ある子が3つ目の式の意味を,
「1/3dLを1Lにするには3倍するわけだから,塗れる量も5/8uの3倍になるでしょ?だから,式は5/8×3となります。」と発言すると,
「それなら,2つ目と3つ目の式は,どちらを書いても正解になるんじゃない?まあ,私は2つ目の方がよりいいと思うけどね。」と新たな問いが生まれてきました。
そこでクラス全体に,
「どっちでもいいの?どれかに絞った方がいいの?」とみんなの今の立場を尋ねました。
すると,
「どっちでもいい!答えが同じならどっちでもいいと思うよ。」
「いや,答えが同じでも式の意味が違うから,どれかを選ぶべきです。私は2つ目の方がいいと思います。」
と答えます。そこで,私(教師)から
「本当に答えは同じになるの?」と聞くと,
3つ目は,「5/8×3=5×3/8=15/8 15/8u」で,既習事項でもあり,全員納得しました。
2つ目は,「5/8÷1/3=5×3/8×1=15/8 15/8u」と別の子が発表すると,またまた別の子どもが,
「なんで,÷1/3を×3/1にするのかな?」とつぶやきます。私(教師)は,それを更なる問いとしてクラス全体で共有し,しばらく考える時間をとりました。
その後,ある子が,2数直線図を描きながら,
「1dLを1/3dLにするには×1/3にしますよね?この問題は,それを逆にしているので,かけ算の逆の÷1/3となりますよね。図からもわかるように÷1/3と×3は同じ事なので,つまり÷1/3は×3/1にしていることになります。」と説明します。伝わった子と伝わらなかった子にわかれたので,小グループで確認する時間をとります。ノートを片手に一生懸命話し合う姿が見られます。まだまだ納得できない子どもも多いので,もう一人の考えを聞いてみることになりました。
「5/8÷1/3は,まだ習っていない形なので,まずは今までに習った形にしたらいいと思いました。わる数の1/3を整数にしたらいいと思いました。整数の中でも簡単に計算できる1にしようと思いました。5/8÷1/3=(5/8×3)÷(1/3×3)=(5×3/8×1)÷1=15/8です。」これも最初聞いて「?」だった子どもたちも小グループで確認の時間をとってみると段々と「わかった!」という声が増えていきました。
最初の問いを解決するにはあと少し時間がかかりそうですが,図や式変形を通して,結果的に÷1/3を×3/1にしていいと結論付けた子どもたち。次はどんな問いが生まれるか,とても楽しみです!(兼安)

アルゴリズムに疑問を!?〜たし算の筆算〜
2020/05/31
 先週は繰り上がりのある,たし算の筆算の授業を行いました。筆算とかけ算は,2年生の算数で重要な課題だと思います。筆算は繰り返し解いていくことで,アルゴリズム(手順を機械的に繰り返す)を身に付けていくことが大切です。
 筆算を機械的に説いていく中で,ある子どもが「繰り上がりの1はどこに書くの?」という疑問を聞いてきました。繰り上がりの1を十の位の上に書く子,答えの欄に書く子,答えの1つ上の欄に書く子など,さまざまで困っていたようです。すると,別のある子が「答えのところに書くと繰り上がりの1をたし忘れそう」と言ったので,たし忘れないように十の位の上に書くことを共有しました。
 さらに,「なぜ十の位から計算するのではなく,一の位から計算した方がいいのかな?」と発問してみました。子どもたちが戸惑いの表情を浮かべた瞬間,ある子が「じゃあ,十の位から計算してみよう」と言いました。実際に計算しようとすると,「どう計算したらいいかわからない」,「繰り上がりがあると答えを書き直さないといけないから大変」と言う声が、、、。今までは繰り上がりのない筆算だったため,中には十の位から計算している子もいましたが,一の位からする方が効率がよいことを感じたようです。
 今回の授業では,アルゴリズムに疑問をもつことで,なぜその手順で計算を行うのかを理解し印象付けることができたのではないかと思います。今回の授業で筆算が少しでも得意になってくれたらと思います。(山本)

算数科の授業開き
2020/05/27
学校再開3日目となり,専科も授業開始です。私も待ち遠しかったです。今年度は,4・5・6年生に関わらせていただきます。4年生とは初めてということもあり,少しドキドキしながら今日の日を迎えました。
授業開きでもありましたので,単元「大きい数」の第一時をゲームの要素も取り入れながら進めました。0から9までの10枚の数字カードを教師用,子ども用それぞれ準備します。1枚ずつカードを引き合い,一の位から順にカードを置いていき,最終的に数が大きい方が勝ちというゲームです。カードを置くたびに数字の読み方を確認できるので,十億までの数を,楽しく仕組みを捉えることができます。感染予防の観点から大きな声を出さずに,みんなで声を揃えることに意識を向けました。臨時休業中に私が作成したプリント教材で学習を進めてきた子どもたちは,しっかりと読むことができていました。安心しました。
次回は,兆の位の読み方を確認したり,3桁×3桁の筆算の仕方をまとめていったりしたいと思っています。(兼安)

よろしくお願いいたします
2020/05/18
 前例のない年度初めとなりましたが,ようやく学校再開の日が近づいてまいりました。
 本年度も2年生を担当することなりました,山本東建と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日,オンラインの試行でクラスの子どもの顔を見ることができました。やっぱり子どもの顔を見ると,顔が自然とほころび,元気になりますね。今回顔が見れた子どもたちも,時間の都合で参加が難しかった子どもたちも,登校日にクラスみんなと会える日がとても待ち遠しいです。
 みんなで楽しいクラスを作っていきましょう。
 1年間どうぞよろしくお願いいたします。(山本)

宝塚読み聞かせ劇場
2020/02/21
 4年生は,2月19日(水)のグリーンタイムに,元宝塚の方に,読み聞かせをしていただきました。宮西達也先生の感動の友情物語「きみはほんとうにステキだね」を読んでいただきました。元宝塚だけあって,声の抑揚,立ち振る舞い,…子どもたちは引き込まれ,あっという間の10分間となりました。素敵な朗読をありがとうございました。
 愛する人がいるっていうことは,本当に素敵なことですね!(兼安)

おいでませ!公開授業
2020/01/07
私は,1月30日(木)13:25〜の公開授業で,第4学年「面積」で授業を行います。
光学園算数科・数学科部では,「数学的な見方・考え方のよさを実感し,自ら統合的・発展的に考える子どもたち」を目指して,全員が図形領域に揃えて授業を行うことになったからです。
当日は,子どもたちが楽しみながら,統合的・発展的に考察し,深い学びを実現できる授業について,提案させていただきます。
たくさんの方の御参観をお待ちしております。 (兼安)

感謝
2019/11/24
 今年度は,授業アドバイザーや要請訪問を通して20校近くの学校を訪問させていただきました。様々な子どもたちや先生方とお会いできたことで私自身大きく成長できたと大変感謝しております。
 どの学校でも熱のこもった協議が展開されていました。先生方のお話を聞いていると,自分自身がその学校の職員の一人になったような気がしてきました。いつも温かく迎えてくださって本当にありがとうございました。
 先生方の互いに仲間のことを考え,支え合う姿に山口県教育の未来は大変明るいな!と感じ,私自身ももっと成長させていきたいと思う今日この頃です。
 今後も是非授業アドバイザーなどで校内研修によんでいただければと思います。(兼安)
 

5×2? 2×5?〜かけ算〜(2年生)
2019/11/18
 かけ算の問題で、「アイスを、3個買います。4人分買うと、全部で何個になりますか。」の式を問うと、子どもは自信をもって「3×4」と言いました。その次の問題で、「アメを、5人に2個ずつ配ります。アメは、全部で何個になりますか。」の式を問うと、「5×2」、「2×5」と見事に分かれました。

 かけ算で、式の意味を考えて立式することは重要になります。立式については、1年生のたし算、ひき算にもつながりがあるかと思います。また、4年生の長方形の面積の公式や5年生の直方体の体積の公式、面積図にも関連してくるのではないでしょうか。例えば、直方体の体積の公式は、見方を変えれば辺の長さをどの順番で公式に当てはめても答えは同じになります。しかし、公式の順番を考えることは奥行きや高さという、立体として捉える空間認識力にも少なからず影響があると思います。2年生の子どもたちも案の定、「答えは同じだからどちらでもいいのでは?」というつぶやきが聞こえてきました。

 子どもたちの式に対する考え方のズレは、式の意味を考えるチャンスだと私は思いました。かけ算の場合、(1つ分の数)×(いくつ分)というように、まとまりを考えて立式します。そこで、子どもたちに問題文を図でかかせました。そこで、「あっ!!」と気づき、慌てて図や式を直す子、また、図を説明材料として教え合う子どもたち。今までの問題は、先に問題文に出た数の順で立式すればうまくいっていたが、それはたまたまで、式の意味を考えて立式することに気づくことができた瞬間でした。

 板書では今までも図を使って説明していましたが、自分たちで図をかくことできちんとイメージし、問題を正しく認識することができたのだと思います。イメージと関連付けて式の意味を考えることが大切です。特に、言葉の理解が難しい低学年には、(1つ分の数)を具体的に図に示すことで、子どもが「5×2ではなく、なぜ2×5なのか」という式の説明も容易になり、学び合いが深まりました。(山本)

じゃんけんゲーム
2019/10/15
今回は,教育実習生と共に考えた第1学年の「長さ比べ」の導入の授業を簡単に紹介します。まず,先生対子どもで,「じゃんけんゲーム」という名の,黒板の端から端まで,決められた長さのテープをはっていき,どちらが早くゴールできるかという双六に似たゲームをすることを子どもたちに知らせます。グーで勝つと黄のテープ,チョキで勝つと緑のテープ,パーで勝つと赤のテープがもらえ,先生が勝つと青のテープというルールを知り,子どもたちはやる気満々です。ただし,この時点では,子どもたちはもらえるテープの長さは知りません。子どもたちは先生にじゃんけんに勝つ度に大興奮。パーで勝つと長いテープをもらえることを知った子どもたちはパーで勝ちたがります。順調に7回連続で勝った子どもたちは,ゴールまであとわずか!あと一度勝てば子どもたちの勝利!そこから先生の大反撃です。先生はわずか3回連続で勝っただけで,ゴールにたどり着いてしまいます。子どもたちからは大ブーイング!「先生だけとても長い青のテープを使うなんてずるいぞ」そこで,黄,緑,赤,青のテープの長さを比べて,本当に青のテープが一番長いのかを調べてみることになりました。このように数学的な見方・考え方を働かせて自ら問いをつかんでいく子どもたちの生き生きとした姿を見るのはとても楽しくなります。これからも授業の本質を見失わないように工夫しながら,楽しい授業づくりを目指していきたいものです。(兼安)

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