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公開授業研究会について
2021/01/26
 2月11日(木)のオンライン公開授業研究会では,箱の形の単元で,『すてきな筆箱を作ろう』という授業を提案します。


 公開授業の本時に関連して,先日の参観日で,正方形を並べて蓋のない立方体を構成して『すてきな宝箱を作ろう』という授業を行いました。
 授業の前半で,並べる5枚の正方形の面のうち1枚を三角形のもの,1枚は他の面より小さい正方形のものといった,箱の形にならないものを提示することで,同じ大きさの正方形で辺の長さをぴったり合わせる必要性があることを押さえました。
 そのことを踏まえて,5枚の正方形をいろいろな並べ方で,子どもが自由に宝箱を作りました。友達が並べた宝箱の展開図と見比べると,回転させたり,ひっくり返したりすると同じ並べ方になるものがあることに気付くができました。1枚の面を隣の面に移動させると,別の並び方になることに気付いた子もいたことには驚きました。


 公開授業では,正方形を長方形に変えて,5枚の長方形を並べて蓋のない直方体を構成して『すてきな筆箱を作ろう』という授業を行います。
 空間認識が苦手な子には,蓋のある完全な箱の形を構成するとき,面を折り返すごとに隣接した長方形も同時に移動することを頭の中で想像するのが難しいのではないかと思います。
 そこで,蓋のない箱の形を構成することで,隣接する長方形の並べ方も少なくなり,折り返した形を想像しやすく,空間認識が苦手な子も苦手意識をもたずに活動に取り組めるのではないかと思います。
 授業の前半で,立体を構成するきまり,特に向かい合う面が同じ形や大きさを見出し,いろいろな並び方で子どもたちが『すてきな筆箱』を作り,立体を,算数を楽しんでくれたらと思います。


 協議会では,蓋のない5枚の長方形で箱の形を構成するきまりを見出し,理解を深めることができたのかを御参観いただいた皆様と話し合い,一緒に考えを深めていきたいと思います。
 協議会V(小2算数)は,13:10〜14:00です。
 当日はよろしくお願いいたします。(山本)

仕掛けと活動
2020/12/16
 先日,後期公開授業の試行として,プレ授業を行いました。単元は「かけ算(6〜9の段と1の段)」で,内容はかけ算九九のきまりを視覚的に図形から見出しました。この授業は,前まで式と答えからきまりを見出し,次の単元で表からきまりを見いだす,そのつながりとして見方を変えるのに必要な内容と思います。
 その授業で、同じ図形になるのは視覚的にわかりやすと思います。そこからさらに,4の段+6の段=10になるように,段の数の和が10になる組み合わせが同じ形になるというきまりを子どもが見出すにはどのように仕掛けるとよいか悩みました。比較して見やすいように同じ図形になるペアが上下になるように配置してみると,ある子が見事に見いだしました。それを聞いていた他の子も「ああ!たしかに!」と声をあげていました。

 「かけ算」の単元が終わり,今は1mのものさしを使う「長い長さ」の単元を授業しています。その単元の導入で,どのようにしたら子どもたちが30cmのものさしに困り感をもたせることができるか,そこから大きな単位や大きなものさし(1mのものさし)の必要を感じることができるかと考え,身の回りのものを取り上げ,「教室の縦の長さと横の長さ,どちらが長いのか」と問いかけました。グループに分けてそれぞれが持っている30cmのものさしをつなげて,子どもたちは楽しそう,そして真剣に測っていました。
 それぞれの長さを聞いたときに,「何本もつなげないといけないから大変」「ものさしがズレていくから困る」「何本も竹ものさしを使うと,計算が大変」とつぶやく子どもがいました。ねらいとした,大きな単位や大きなものさしの必要感をもたせることができたと実感できた瞬間でした。

 仕掛けによって,子どもがその教材に興味をもったり,解決する手立てになったりします。活動によって,特に低学年に集中を持続させたり,具体物を使って課題を解決したりします。

 間もなく行う,後期公開授業でどのような仕掛けとどんな活動にするか,子どもが授業に夢中になる姿を想像し,わくわくしながら授業を考えていきたいと思います。(山本)

簡単な1uのつくり方!
2020/12/08
 広さについての深い学びにつなげるために,1uがどのくらいの広さなのか体感的に捉えさせたいところです。そのために,自分で1uをつくったり,1uにものを敷き詰めて幾つ分かを調べたりする活動がかかせません。とはいっても,新聞紙で1uをつくることは,大人が思う以上に子どもにとって難しいようです。そこで,次のような方法でつくってみてはいかがでしょうか。
@ 児童机は縦40cm,横60cmなので写真のように組み合わせて,1uをつくります。
A その机の上に新聞紙を広げさせ,張り合わさせます。
B 最後に1辺が1mの正方形になるように測らせ,不要な部分を切り取らせます。
 この方法だと,私の経験上,班で1枚の1uを10〜15分でつくりあげます。
 もしも,まだ1uをつくってないなら,是非つくってみてください!(兼安)

安定と少しの変化 〜かけ算の九九〜
2020/11/05
 先日,体育科の授業で「とびっこランド」をしました。ケンケンパーで跳んだり,足首ぐらいの高さのミニハードルを飛び越えたりする運動をサーキットのようにして回り,楽しみながら跳ぶことに親しむ運動です。その中で,ミニハードルをゴム跳びに変えたり,ケンケンパーのままにしたりして少しずつ運動を変化させました。すると,子どもたちは,無我夢中で楽しく活動していました。

 算数科の授業では,かけ算で2〜5の段までの九九を行いました。流れとしては,例えば2の段なら,1時間目は2×1〜2×4からかけ算の気づきを見つけ,続きの2×5〜2×9までの2の段を構成します。これは,かけ算の意味を定着させたり,12×5など,九九の続きをつくったりするときに必要な内容でもあります。2時間目,3時間目は,2の段の九九を知って慣れ親しむようにします。

 この内容を2〜5の段まで繰り返していきますが,当然子どもは飽きてしまいます。そこで,冒頭の体育科の授業のように,変えずに安定させる時間と少しの変化を付けた時間で授業を行いました。

 最初の1時間目はかけ算の意味を理解するためにも必要なので,安定の時間として同じ授業の流れで行いました。すると,授業で3の段だと気づいた何人かの子どもたちがめあてを提示する前に,「もうめあて書いたよ。【3の段のひみつを見つけよう】でしょ?だって,2の段や5の段のときと同じだから」,「もうひみつ見つけたよ」と言い出しました。4の段のときはみんなで言い出すような勢いでした。授業の流れを同じに安定させることで,授業の見通しをもてるようになり,安心してその授業に臨めたのではないかと思います。

 3時間目は,九九カードでカルタをしました。勝ちたいから九九を家でも覚えようとしたり,楽しみながら九九に慣れ親しむためです。その中で,各段の授業を行う際に,少しずつ変化を付けました。あるときは,ラッキーナンバーを設定し,カルタで取った枚数ではなく,ラッキーナンバーの式を取った方が勝ち。また,あるときは,読んだ答えになる式のカードをカルタ形式で取る。この方法は,4年生のわり算にもつながります。このように,大きな変化ではなく,少しずつゲームを変化させました。日常生活でも大きな変化は楽しみですが,それが続くと疲れてしまいます。少しの変化が日常によい刺激となります。同様に,子どももゲームを少しずつ変化させることで飽きることなく,授業に臨んでいました。

 まだまだ,かけ算の九九は続きますが,安定と少しの変化を意識しながら授業を行い,子どもと楽しみながら九九に取り組んでいきたいと思います。(山本)

時間がかかっても,大切なこと
2020/11/02
第4学年の授業のことです。
「おにぎりがどれも1こ120円で売られていました。こんぶのおにぎりを5こと,さけのおにぎりを3こ買いました。代金は全部で何円になりますか。」という問題を提示し,「1つの式に表して求め方を考えよう。」と子どもたちに投げかけました。
すると,次の4つの式が出ました。
1つ目(5+3)×120=960
2つ目120×5+120×3=960
3つ目120×(5+3)=960
4つ目120×8=960
2つ目の式は「120×5=600,120×3=360,600+360=960を1つの式にまとめたのでよい」となりましたが,子どもたちの意見が分かれたのは残りの3つでした。
次の意見は,2つの式ならば,5+3=8,120×8=960となることを確認した上での意見です。
「僕は,@とBならどちらでもよいと思います。なぜなら,かっこがつくとそのかっこを先に計算しないといけないからです。かっこの中を先に計算して,8×120と120×8は答えが同じなので,意味は同じになると思うので,@とBはどちらでもよいと思います。」
「私は,かけ算は順番を変えると意味が変わると思います。式はその場面を表すから@とBの意味は変わると思います。だから,この場合はBだと思います。」
クラスの子どもたちは,@とBのどちらでもよいという少数派とBがよいという多数派に分かれました。
私が「自分たちの力だけで話し合って,意見をまとめることはできそう?」と尋ねると子どもたちは力強く頷き,話合いがスタートしました。
互いに質問しあったり,かけ算の意味を確認したりしながら白熱した話合いは続き,予定した時間をはるかに越えながらも最後の最後には全員が納得した上で,Bを選ぶことができ,「かっこがあるときも,かけ算の意味に気を付けて式を作らないといけない。」とまとまることができました。これからもチャンスがあれば子どもたちの力だけで困難を乗り越えるような授業を進めていきたいです。(兼安)

漫才で重要なのはネタ?テンポ?
2020/10/15
 先日,テレビ番組で「お笑いの日」ということで,漫才やコントなど,長時間お笑いの番組が放送されていました。見ているうちに,漫才で面白いコンビはどこが違うのだろうか,重要としていることはどんなことだろうか,と思うようになりました。ネタが秀逸だと面白いのか,テンポが心地よいと面白く感じるのか。
 授業も同じだと思います。題材が興味深いものだと子どもの関心も高まりますし,テンポよく進むと子どもは飽きずに授業に臨めます。そこで,今回の授業はテンポに重視して授業を行ってみました。

 今回の授業は,九九の前にかけ算の式に親しむ内容でした。提示されたかけ算をブロックを用いて表し,かけ算の素地を養うとともに,理解を深めていきました。
 まず,4×2の式になるブロックの並びを当てるクイズで,横2列のもの,マス目のように4つが集まった2つ分もの,横並び4つと2つのもの(これのみ4+2となり,4×2ではないもの)で選ばせました。その後,それぞれ理由を言わせて,「4こずつのまとまり」,「2つ分」というキーワードを子どもから引き出し,押さえました。
 次に,提示した式をブロックを用いて表す活動をしました。冒頭で書いたように,今回はテンポよく進めるために,ゲーム形式で10秒以内でブロック操作をするように時間制限を設けてみました。低学年だと間延びしてしまうと,飽きてブロックで遊んでしまうので,それを防ぐ目的と時間を制限することで子どもが集中して取り組めるようにするためです。
 すると,子どもは「えー!?」と言いながらとても楽しみながら取り組んでいました。ブロックを縦や横に並べる子,花のような形に並べる子,中には高く積み上げる子など,自由な発想で表現していました。並び方が違っていても,そのどれもが提示されたかけ算の式になることを,授業者と補助者の二人で役割を分担して授業を行うT・T形式(ティームティーチング形式)をいかして,一人の教師がある子の並べたブロックIpadでテレビ画面に映し出し,もう一人の教師がテレビ画面で「○ずつ□つ分」になることを全体で確認し,全体で共有しました。
 そうすることで,自分が並べたブロックよりたくさんの並びを疑似体験することになるとともに,かけ算の本質を理解するよい機会となります。実際に5×2と2×
5を間違えて並べていた子も多くいましたが,映し出された画面を見るうちに違いを実感して修正や間違えなくなっていきました。何より,自分のも映して発表したいと子どもがノリノリで楽しく授業に臨んでいました。
 テンポの重要性を実感でき,子どもたちと一緒に楽しく授業をつくれた時間となりました。(山本)

統合的・発展的に考察!
2020/09/28
 算数の学習では,計算が確実にできるとともに,解決過程や結果を振り返ったり,統合的・発展的に考察したりすることが重要になります。
 そこで,本時の異分母分数の加法についても,計算の仕方を解釈して検討したり,数を構成する単位に着目し,整数の加法に帰着して考察したりする時間を取りました。
 具体的には,まず,「牛乳が1/3L入ったびんと,1/2L入ったびんがあります。あわせて何Lありますか。」の場面を捉え,式を考えます。1/3+1/2は4年生で学んだ分数とは違い,分母の違う分数であることを,みんなで共通理解し,「どうすれば計算できるのかな?」と問いをつかみました。その問いから「分母が同じならば計算できるのでは?」と見通しを持ち,それぞれが解決をはじめました。
 その後,互いの考えを発表してもらいました。計算の仕方を中心に発表した子,図で通分の様子を表し発表した子などがいました。それらの考えの共通点をおさえ,「分母の違う分数のたし算は,通分すると計算できるようになる」ことをまとめました。
 更に,小数のたし算では,ある数の幾つ分かを考え,整数のたし算に表して計算していたことを想起させ,分数のたし算でも,小数のたし算と同じように1/6の幾つ分かで整数のたし算で計算できることと統合的にまとめていくことができました。
 これからも,統合的・発展的に考察する場面を大切にしていきたいと思っています。(兼安)

実体験と身近な話題の重要性〜水のかさ〜
2020/09/23
 後期がスタートしました。子どもたちも新たな目標をもって,授業や学校生活を過ごしていました。

 算数の授業では,「水のかさ」として「L」,「dL」,「mL」といった,新たな量の単位を学習しました。単位を付けたまま足し算や引き算をするとき,子どもたちは,すでに学習した,「cm」,「mm」の長さの場合と似ていることを見出し,学習したことを生かして考えられたことを嬉しく思いました。

 また,量の感覚を養うためと実感させるために,それぞれの量の単位で実際に身の回りの物を測ってみました。実際に測ってみると,自分の予想した量と同じだったり違っていたりして,楽しみながら学習していました。特に,低学年にはこのような実体験がとても重要だと思い,その後もいろいろな物を見て量に関することで,自分が発見したことを得意気に教えてくれる姿も嬉しかったです。

 給食でフルーツポンチに入れるために500mLの炭酸飲料が用意されました。子どもたちは興味津々です。そこで,その容器を算数の授業でmLを測った後,次のようなことを聞いてみました。
 「なぜ,ペットボトルは5dLではなく,500mLで売られているのだろうか。」
 子どもたちに戸惑いが生じ,「そういえば・・・」と顔を見合わせていました。そこから,子どもたちの話し合いが自然とスタートしました。身近なものであるからこそ,共通の話題として話し合いも盛り上がりました。そして,子どもたちの結論は,「3dLちょっとより,350mLの方がわかりやすい」,「5dLより500mLの方が多そうだから,ジュースがよく売れる」など。

 身近な疑問を題材に考えると子どもも活発に話し合い,拍手や頷きなど,よい意見に対して素晴らしい反応が見られた,よい一日でした。実際にジュースを5dLと500mLで販売して,売り上げ比較をしてみるのも面白いかも知れません。(山本)

より高く,よりシンプルに!〜ひき算の筆算〜
2020/08/27
 先日,参観日でひき算の筆算の授業を行いました。御多用の中,参観していただいた保護者の皆様,ありがとうございました。
 授業や宿題から子どもの達成状況を考えると,様々なひき算の筆算のパターンが整理できず,困惑しているように思えました。
 そこで,二日目の参観日は復習として次のような授業を設定しました。各自でひき算の筆算の問題を作成し,計算の仕方を全友達に説明することで,繰り下がりや計算の順序など,筆算のアルゴリズム(形式的な手続き)を再確認する。さらに,作成した問題で計算の仕方でそれぞれのパターンに分類することで,計算の仕方の見通しをもち,理解を深めることをねらいに授業を計画してみました。
 結果として,子どもたちはいろいろなパターンの問題を作成していました。最初は計算の仕方を説明する,言語活動に戸惑っていましたが,班で話し合っていくうちに自分なりの言葉で説明を考えていくことができました。(時間が足りなったので,発表は1組でしたが・・・)
 課題として,ねらう内容が一時間では多すぎました。問題作成と計算の仕方の説明で一時間,パターンの分類で一時間の二時間構成で計画した方が,子どももその時間で目指す目標が明確になって取組やすかったと思いました。
 また,子どもたちの思考に合う授業の流れについて振り返ると,ノート,ワークシートの順だと思考の切り替えが難しく,ワークシートのみで授業を行う方が見通しももちやすかったと思いました。そうすると,「友達の問題を計算してみたい」という主体的な取組が自然な思考として起きたのかもと思いました。
 授業者の知識や技術が増えてくると目指す子ども像も高くなってきますが,だからこそ,子どもに授業の一時間で身に付けさせたい力をより精選し,よりシンプルにしていくことが重要だと実感した一日でした。(山本)

自学!応援!
2020/08/06
 先日,授業後,ある子が,
「家で復習したいので,今日のプリントの問題をノートにうつすまで待っていただけませんか。」
と私に言ってきました。
 自主的に復習しようとするなんてとても素晴らしいなと思った私は,
「そういうことなら,ノートにうつすのも大変だろうし,予備のプリントを印刷してあげますよ。」
と提案してみました。
 その子は,放課後,友達と一緒にプリントをとりにきて,
「頑張ります!」
と帰っていきました。
 自主的に努力を続けようとする姿は,いつ見ても清々しい気持ちにさせてくれます。
 こんな子どもの気持ちに少しでも応えるために,自学をしたくなるような様々な問題を提案していきたいものだと強く思いました。(兼安)

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