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ききたいな,ともだちのはなし(光村図書1年)
2021/09/22
夏休みが終わり1か月が経とうとしていますが,皆さま,いかがお過ごしですか。

この夏は多数の先生方に語り合う会(オンライン開催)への御参加をいただきありがとうございました。御意見や御質問をいただく中で,自分自身が国語科を通して子どもとどのように学んでいきたいかを考えるきっかけとなりました。

子どもたちも感染症予防に努めながら,充実した夏休みを過ごしたようで,楽しい思い出話を聞かせてくれました。

国語科では夏休み明けに『ききたいな,ともだちのはなし』という学習があります。そこで子どもたちや私の思い出話に花を咲かせました。

この学習では,
【@話し手の内容を捉えて感想をもつこと】
【A伝え合うために必要な事柄を選ぶこと】
という指導目標があります。私は特に@を重点的に抑えることで,話を広げたり,深めたりして会話を楽しめるようにしたいと考えました。

発表に対しての質問は,多岐に渡りますが,その中でも話を広げたり,深めたりすることができる質問があることに気付けるよう,質問を分類してみました。

A…はい/いいえで答える質問
B…数や色など答えがすぐ返ってくる質問
C…わけや状況を答える質問
としました。

子どもたちの気付きは,
A…話がすぐ終わるけど,すぐに答えられるのがいい。
B…すぐ答えられるし,自分が思っていた答えと違うと何でと聞きたくなる。
C…答えを言うのが難しいけど,答えが聞けると一番話が深くなる。
と考えました。

また,Cの質問で「なんでですか?」ばかりが続くと穴を掘るような感じでちょっと苦しいということにも気付きました。このことから自分ならどの質問からしようかなと考える姿も見られました。

加えて,質問だけでなく感想を言うとより話が広がることにも気付きました。普段の話も一方的に聞かせたり,質問したりするものではなく,キャッチボールと言われるように感想を言うことで相手のことをより知ることにもつながります。

また,聞く姿勢として最後まで聞く,話している順番を守るということの大切さもこの学習で感じました。
質問したい気持ちがとても強い子が多いので,あえて
「挙手せずどんどん質問していいよ!」
と投げ掛けてみました。すると,教室中が質問の嵐でヒートアップし,誰の質問に答えればよいのか全く分からなくなってしまいました。

「話が迷子になったよ。」
と子どもの発言をきっかけに,この困り感を解決するためにどうすればよいかを考えました。すると,すぐに上記の2つの聞く姿勢が出てきて,指名や挙手でなくとも
誰かが話している時は,聞かないといけないと実感することができました。

1年生は日頃の会話でも「僕の話を聞いて〜!」という思いが先行してしまいますが,互いに質問し合うことで話が広がる楽しさを感じることができるようになると思った学習でした。(有田)

お手紙
2021/09/17
 9月に入ってから,「お手紙」(光村図書2年)の学習をしています。

 本単元では,「場面の様子に着目して,登場人物の行動を具体的に想像すること」「文章の内容と自分の体験とを結び付けて,感想をもつこと」の2つを重点目標にしています。

 本教材は,特別な事件が起こるわけではないが,4日遅れの,しかも内容の分かっている「お手紙」を仲良く待つ二人の様子が描かれており,読み手を心和む優しさと面白さで包んでくれます。その読後感に影響を与えているものは,この教材の最大の魅力でもある「登場人物のユニークさ」ではないでしょうか。

 この教材特性を生かして深い学びを実現するためには,登場人物の人物像に着目して,自分の考えを形成することができる学習課題の設定が大切であると考えました。

 そこで,本単元では,「この物語を一番面白くしている人物は,誰なのか」という判断型学習課題を設定しました。そうすることで,子どもたちは,登場人物同士の様子や行動を基に人物像を比較しながら,人物の設定や役割の効果について自分の考えを形成していくことができると考えたからです。

 第2次の2時間目にあたる本時では,「かえるくんは,物語をどのくらい面白くしていたか」という発問に対する自分の主張を,4段階のメーターで表現させ,友達との考えのずれから対話が進んでいきました。

 あるペアの様子を紹介します。

A 自分でも手紙を渡せるのに,わざわざかたつむりくんに頼んだから,物語が面白くなっているから,「4」だと思う。
B でも,そのせいでサプライズには失敗しているよ。
A サプライズにはならなかったけど,二人とも幸せな気持ちになってるから,いいじゃん!
B でも,サプライズだったらもっと幸せになってたんじゃない?
T もしも,手紙を出したことを最後まで言わなかったら,物語はもっと面白くなりそうってこと?
B うんうん!
A いやいや,心配したり,怒ったりしながら待つより,二人で一緒に待てたんだから,こっちの方がいいよ!
T 物語の『展開』や『結末』が変わってきそうだね
A こっちの方が幸せな時間が4日間も増えたってことだから,よりハッピーエンドって感じがするよ。

 「一番〇〇なのは,どれか」というような判断型学習課題を設定したときには,多様な解釈が生まれますが,拡散したまま終わってしまうことがよくあります。深い学びに向かうためには,焦点化する発問がかかせません。

 そこで,子どもの思考の流れに合わせて,「もしも,〇〇だったら?」と,言語形式の違う2つを比較する発問をするようにしています。そうすることで,子どもたちは,言葉による見方・考え方を働かせて,人物像の違いや展開の違いから生まれる効果を捉えたり問い直したりしていき,納得解の妥当性を高めていくことができると考えています。

言葉による見方・考え方が働く『発問』とは?
2021/07/28
 今回は,この夏に行われる,オンラインでの研修会の紹介をします。

 先生方は,言葉による見方・考え方を働かせている子どもの姿を具体的にイメージできますか?
 この講座では,テーマを見方・考え方が働く『発問』に絞り,
 @評価を促す発問
 A比較を促す発問
 B自覚を促す発問
と3つに類型化して提案します。

 講座では,発問直後の子どもたちの対話の様子がよく分かる授業動画を8本用意しています。
 ある場面では,「話すこと(内容)は同じでも,それによって,読み手の思い方は全然変わってくるの。文章って,そういうものなの!」という名言も飛び出します。
 
また,単元の最後に学習のまとめとして書いた,子どもの「批評文」や「〇〇ランキング」も全文掲載しています。
 どの記述に見方・考え方が働いていると考えられるのか,詳細に分析していきます。

 子どもの姿から,見方・考え方を働かせる授業づくりについて先生方と学ばせていただければ幸いです。
 参加費は無料です。御参加をお待ちしております。
 Web申し込みは,本校のホームページを御覧ください。


【「授業について語り合う会in光」の御案内】
日時:8月6日(金) 9:20〜10:20 講座T 国語A(小)
内容:こうすれば説明文の授業は面白くなる! 見方・考え方が働く『発問』とは?
※申し込み締め切りは,7月30日(金)です。

語り合う会へどうぞ
2021/07/26
夏休みに入り,皆さま,いかがお過ごしでしょうか。
暑さ対策をしっかりとされ,ほっと一息つける休みになっているとよいですが。

ところで,1年1組の花壇は子どもたちの朝顔が家に持ち帰られ,がらんとしています。でも,そんな花壇で,スイカだけは,ここぞとばかりにつるを伸ばしています。

給食で出たスイカの種を「植えてみよう!」と子どもと育てています。今朝,見てみると,とうとう小さな膨らみを見付けました。もしかしたら,夏休み明けには縞模様が見られるかも!とワクワクしました。

スイカとは違いますが,7月の終わりには物語文「おおきなかぶ」の学習に取り組みました。
「うんとこしょ,どっこいしょ」の動作化や「まだまだかぶはぬけません。」「それでもかぶはぬけません。」などの繰り返しに面白さを感じ,子どもたちは音読を楽しみました。

8月6日(金)には,オンラインで「語り合う会」を行います。私は「物語はじめの一歩」ということで音読指導に着目して参会者の皆様とお話したいと考えています。
「低学年の国語ってどうするの?」
「国語の授業に困っている。」という方や
「国語大好き!」
「日頃の授業について語りたい!」という方。どなたでも大歓迎です。気軽な気持ちで御参加いただけると,とても嬉しいです。
皆様の御参加をぜひ,お待ちしています。(有田)

どうぶつ園のじゅうい(光村図書2年)
2021/07/21
 6月に「どうぶつ園のじゅうい」(光村図書2年)の学習をしました。

 本単元では,「文章の内容と自分の体験とを結び付けて,感想をもつこと」を重点目標にしました。
 本教材は,獣医である筆者が,ある日の仕事を紹介する形式で書いており,自身の仕事に対する思いを表わす言葉が多く使われているため,筆者を意識しやすい説明的文章といえます。
 この教材特性を生かして深い学びを実現するためには,筆者の言葉の使い方に着目して,自分の考えを形成することができる学習課題の設定が大切であると考えました。
 そこで,本単元では,獣医さんにとっての「大変な仕事ランキング」をまとめるという判断型学習課題を設定しました。そうすることで,子どもたちは,事例ごとの仕事内容や言葉の使い方を比較しながら,獣医さんの仕事の大変さについて自分の考えを形成していくことができると考えたからです。

 6月26日の研究発表大会では,第2次の2時間目の授業動画を公開しました。
 本時の主眼は,「ワラビーの事例を前時の順位付けに加える活動を通して,内容と体験とを結び付けながら,事例Bに対する自分の考えを形成することができる」としました。
 獣医さんにとって,ワラビーの仕事は何番目に大変そうかという発問に対して,友達との考えのずれから対話を進めていったペアの様子を紹介します。
 Aの子どもは,一番大変なのは,にほんざる派。Bの子どもは,いのしし派です。

【ペアトーク@】
A ワラビーの仕事は,文末が「ちりょうをしました」だけだから,大変かどうか分からない・・・
B でも,ワラビーの仕事は,押さえる手伝いをされているよ。いのししの仕事もあまりにも大変だから,飼育さんが手伝っているんだと思うよ
A え? いのししの仕事は機械を当てるだけだよ?
B でも,赤ちゃんがいるかどうか探す仕事には,「優しさ」がいるよ!しっかり押さえないといけないのに,優しくしなくちゃいけないんだよ。
A うーん・・・(ペアトーク終了→全体交流へ)

【ペアトークA】
A 文末が「ちりょうをしました」で終わっちゃうと,なんか,続きがありそうで終わっちゃうから,ちょっと・・・
B でも,それ言うんだったら,他の仕事も同じだよ。見回りの仕事も「こえをおぼえてもらうようにしています」だし,いのししの仕事も「赤ちゃんがいました」だし,にほんざるの仕事も「いっしょにのみこんでくれました」だよ。
A うーん・・・(ペアトーク終了→全体交流へ)
 
 ここでは,文末の違いに着目していましたが,いのししの仕事に書かれてある「のみこんでくれました」の言葉の効果を捉えることはできませんでした。

【ペアトークB】
T みんなは,どの言葉から大変かどうかを決めていますか?
A いのししの仕事の「こまっていました」には,大変ということが表れている。しかも,「やっと」だから,獣医さんは,時間がかかっている。この「やっと」の言葉で,ぼくは,にほんざるが一番大変だと感じます。どうですか?
B でも,いのししの仕事だって,機械をおなかに当てなければ「なりません」と書いてあるから,いくら時間がかかっているからって,この仕事もよーく見ないといけないし,優しさも関係しているから,やっぱり一番大変だと思う。
A 優しさ? でも,それだったら,ワラビーの仕事もにほんざるの仕事も優しさに関係してるんじゃない?
B え?なんで?ワラビーの仕事は,ちょっと関係あるけど,にほんざるの仕事は関係ないよ!
A ん?(ペアトーク終了→個人のまとめへ)

 最後に,ワラビーの仕事の大変さについて自分の考えを書かせて,この時間は終わりました。

 「どの仕事が一番大変か」というような判断型学習課題を設定したときには,その答えがクラスで一つにまとまることはないと思います。あくまで,読み手の納得解だからです。しかし,「みんな違ってみんないい」では,学びは深まりません。
 そこで,授業の終末では,「どの言葉からそう感じたのか」「どうしてそう感じたのか」と,言葉への自覚を促す発問をするようにしています。そうすることで,子どもたちは,言葉による見方・考え方を働かせて,根拠となる言葉や理由となる生活経験を捉えたり問い直したりしていき,納得解の妥当性を高めていくことができると考えています。

たんぽぽのちえ(光村図書2年)
2021/06/11
 5月に「たんぽぽのちえ」(光村図書2年)の学習をしました。

 本単元でも,判断型学習課題によって,友達との考えのずれに出合わせ,主体的・対話的に学びを進めていけるようにしました。

 今回は,本単元のおすすめ学習課題を紹介します。

【判断型学習課題@】
T この説明文で紹介されている知恵は,いくつか?
C 6つ?
C いやいや,4つでしょ!
C え?5つじゃないの?
 
 この判断型学習課題によって,初め・中・終わりの構造や,中の事例の数を捉えることができます。

【判断型学習課題A】
T ◯番目に使っている知恵は,どれか?
C 軸を倒す知恵だと思うよ
C え?軸を起こす知恵じゃない?
 
 この判断型学習課題によって,時を表す言葉に着目して,事柄の順序を捉えることができます。

【判断型学習課題B】
T 一番かしこいと思った知恵は,どれか?
C 花の軸をぐんぐん伸ばす知恵だと思うよ。
C いやいや,天気によって綿毛の開き方を変える知恵だよ。だって・・・
 
 この判断型学習課題によって,事例に対する自分の考えを形成することができます。子どもの「だって・・・」以降の語りに根拠や理由付けが出てきます。

 内容の確認読み・なぞり読みでは,どうしても受け身の学習になり,主体的・対話的に学ばせることは,難しいと考えています。低学年から,能動的に文章に向き合わせ,読むこと・話し合うことの楽しさを実感させることが大切だと思います。

『くちばし』その後の学習(光村図書1年)
2021/06/06
初めての教育実習が終わり,大好きな教育実習生とのお別れを経験した1年生。
きっと,まだお別れしたという実感がもてないでしょうが,「大好き!」「ありがとう!!」という気持ちはお別れ会でしっかりと伝えることができました。

ところで,前回の更新では説明文『くちばし』の学習の様子の最初をお伝えしました。今回は,その後の学習がどのように進み,まとまったのかお伝えします。

この学習で着目することは,
1 問いと答えの構成
2 くちばしの特徴を正しく読み取ること
としました。

2について,3回の「判断型学習」によって進めていきました。
「きつつきとおうむではどっちが食べるのが上手?」「きつつきとはちどりでは?」
「おうむとはちどりでは?」
と2種類のくちばしの特徴を比較しながら,自分の考えを形成し,最後にもう一度3種類の中で食べ方が一番上手な鳥を決めました。

1回目の授業からきつつきのくちばしにできること,できないことが子どもたちの意見で挙がってきました。

「きつつきは,木に穴を開けられるよ。」
「おうむは,くちばしがとがってないから,木に穴はあけられないよ。」
「でも,おうむは,かたいたねを割れるから,木にも穴を開けられるんじゃない?」
「形がとがっていないと,木をつつけないから,おうむには,やっぱりできないよ。」

くちばしの形に着目して,考えようとしています。

2回目の学習では,おうむとはちどりを比べて考えました。
「どちらも,とがったくちばしをしているね。」
「だったら,はちどりは,ストローみたいなくちばしで蜜を吸っているから,吸うのにぴったりのくちばしだよ。」
「それなら,きつつきだって,とがったくちばしで穴の中の虫を食べるんだから,食べるのにぴったりだよ。」
「飛びながら食べているから,はちどりの方が食べるのが早そうだな。」
「食べる時間が知りたいよ。そうしたら,早く食べられる方が,上手って決められるよ!」

食べ方とくちばしの形の関係を捉え,食べる時間を知れば,比較できると考えました。

3回目の学習でも同じように,比較していきました。

最後は,3種類の鳥で比べます。
形では?食べ方では?と項目ごとに比較して自分の考えを整理していきました。

初めから一貫して1種類の鳥を推し続けている子もいれば,比べる項目ごとに鳥が変わり,決めるのがとても大変だった子もいました。

比べる項目ごとに鳥が変わった子は,いろいろな視点で食べる上手さを比較しようとしていることがわかりました。しかし,推しの鳥がずっと変わらない子は,もしからしたら,推しの鳥以外のよさや推しの鳥にできないことにまで,目が向いていなかったかもしれません。

今回の学習では,初めに判断したことが最後まで変わらなかったという子が多かったので,本文を詳しく読んだり,友達の考えを聞いたりすることで自分の考えを広げることができるような手立てが必要だったと思います。

友達と話し合い,考えの変容があることも楽しめるような手立てを考えていくことが,次の課題です。(有田)

『くちばし』(光村図書1年)
2021/05/19
今年の研究大会では,1年生の国語は『うみのかくれんぼ』を発表します。説明文を読むことは,1年生にとって,新しい事柄,事物に出会えるため,とてもワクワクすることなのですが,言葉の難しさや何に着目して読めば,国語の学習になるのかという難しさがあります。

今は,発表の前に初めての説明文『くちばし』の学習に取り組んでいます。
まだ,途中ですが,今までの学習と,これからどのように学習を進めるかをお伝えしようと思います。

この学習で着目することは,
1 問いと答えの構成
2 くちばしの特徴を正しく読み取ること
としました。

1は,初めの教師による音読の時に大盛り上がりしたことを想起しました。
「なんで,みんなはこのお話が大好きになったのか?」と問うと,
子ども「だって,クイズみたいで楽しいから!」
教師 「クイズみたいって,どういうこと?」
子ども「これは,なんのくちばしでしょうっていうところ!」
子ども「写真も鳥が隠れるようになってる!」

このように,子どもたちは,この文章の面白さは,クイズ形式,つまり,問いと答えの構成で書かれていることに気付きました。

2については,まだ途中ではあるのですが,
「3種類の鳥の中で,どの鳥の食べ方が一番上手か?」という問いを考えています。
今日,授業をしてみると,この問いに対して,読みこんでない時点では,直感的に子どもたちは答えました。

子ども「きつつきです。どうしてかというと,あなをあけて食べるからです。」
子ども「おうむです。どうしてかというと,からをきれいに割って食べるからです。」
子ども「はちどりです。どうしてかというと,ストローみたいにすっているからです。」

直感的にと,書きましたが,中にはしっかり教科書を読んで答えようとしている子もいて,驚きました。

これからの学習では,「きつつきとおうむではどっちが食べるのが上手?」「きつつきとはちどりでは?」「おうむとはちどりでは?」と2種類のくちばしの特徴を比較しながら,自分の考えを形成し,最後にもう一度3種類の中で食べ方が一番上手な鳥を決めようと考えています。こうすることで,1種類の鳥のことを学習せずとも,全体を見通しながら,くちばしの特徴と使い方に着目することができると考えています。

次の更新では,どのような学習になったかをお知らせしたいと思います。(有田)

ふきのとう(光村図書2年)
2021/05/16
 4月に「ふきのとう」(光村図書2年)の学習をしました。

 教科書では,この単元で重点的に学ぶ学習用語は,「登場人物」となっています。そこで,判断型学習課題を「この物語を一番面白くしているのは,どの登場人物か」にしました。そうすることで,子どもたちは,場面の様子や登場人物の行動など,内容の大体を捉えた上で,登場人物について自分の考えを形成することができると考えたからです。

 本来なら,まず登場人物を確定させてから,この課題について考えるのが定石だと思います。しかし,本授業の導入では,読み聞かせを終えた後,すぐに上記の学習課題を子どもに投げかけました。すると,子どもたちは,次のようにつぶやき始めました。
「それは,やっぱり,ふきのとうだよね!」
「え,はるかぜじゃない?」
「いやいや,お日さまでしょ!」
 考えにずれが起き,話合いが一気に盛り上がりそうでした。

 しかし,話合いの中心話題は,だんだんと次のように変わっていきました。
「お日さまって,登場人物なの?人じゃないよ」
「だったら,はるかぜだって違うんじゃない?」
「それ言いだしたら,ふきのとうもだし!」
「この物語に登場人物いないことになるよ・・・」
「そもそも登場人物って,どういうこと?」

 これらの発言を受けて,「この物語の登場人物は,何人か」という判断型学習課題を新たに設定することにしました。教科書の用語の解説には,「お話の中に出てくる人のことです。お話の中で,人のように動いたり考えたりする生きものや物も登場人物といいます。」とあります。子どもたちは,この定義と叙述とを結び付けながら,登場人物の人数を捉えたり問い直したりしていくことができました。

 国語科では,学習過程を明確化することが大切だとされています。読むことの領域では,「構造と内容の把握」をしてから,「考えの形成」をするという,簡単な学習から仕組みがちですが,子どもの問い意識がないと,「構造と内容の把握」をする必要感がもてませまん。そこで,「考えの形成」を先に行い,話合いがうまくまとまらない原因を解決するために,「構造と内容の把握」をするという単元構成にすれば,より主体的で対話的な学びが実現できると思います。(田中)

よろしくお願いいたします
2021/04/21
 今年度は,2年生を担任することになりました,国語科部の田中章憲です。よろしくお願いいたします。

 本校の国語科部では,自分の考えを形成する話合い活動を大切にしています。その際,「どう読んだのか」という自分の考えを中心とした話合いを「なぜそう読めるのか」「どこからそう読んだのか」という理由と根拠を中心とした話合いにしていくことが,深い学びへと向かう鍵になると考えています。

 そこで,今年度は,「一番○○なものを決める」という判断型学習課題について,単元を通して探っていく場を設定する授業を構想しています。そうすることで,子どもたちは,友達との考えのずれによって,理由や根拠を求め続け,主体的に学びを紡いでいくと考えたからです。

 このような学習を経験させることで,学びを深めているのは自分であるという思いをもち,伝え合うことのよさを感じる子どもの姿が期待できます。
 
 今週から1本目の物語文の授業が始まっています。低学年における「問いで学びを紡ぐ」姿をどう実現していくかについて研究を深めていきたいと思います。

 1年間,よろしくお願いいたします。(田中)

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