光小トップ研究国語科トピックス
 
「うみのかくれんぼ」言葉への着目
2023/10/19
 涼しい季節になりました。今年から附属光小学校に配属になり,もう半年が経ちました。クラスの一年生も一回り大きく成長しています。

 前回のトピックスから更新ができておりませんでしたので,今回は一年生国語科の説明文の授業について紹介をさせていただきます。
 一年生の説明文は,問いとなる文章から始まり,同じ文型で3つの例が紹介されています。同じ文型で異なる例が挙げられているため,それぞれの文を比較することが容易になり,共通点や相違点を見つけることができます。
 言葉に着目することが求められる国語の授業では,「この書き方が似ている」と子ども達に気付いてほしいところです。しかし,子ども達が「楽しい」と感じるのは書き方の共通点を見付けることではなく,教材文を読んで初めて知ることだと思います。「うみのかくれんぼ」であれば,ハマグリに足があること,タコが体の色を変えられること,モクズショイという生き物がいることに驚き,楽しさを感じるのだと思います。
 この差を解消するために,生き物の写真と,それに合った文章を線でつなぐ活動を行いました。それぞれの生き物の写真から自分が見取った特徴と同じことが書かれている文章を見つけることに楽しさを感じながら取り組んでいました。答えを考えるなかで,自然と3つの文を見比べることができるため,それぞれの生き物特有の特徴が書かれた言葉に注目し,どの生き物でも同じ順序で特徴が書かれていることに気付いたり,同じ言葉が使われていることに気付いたりする姿が見られました。

 これからも,子どもが「楽しい」と感じることをもとに,言葉に着目できる手立てを考えていきたいと思います。

今年度からよろしくお願いいたします。
2023/05/16
 御挨拶が遅れ,申し訳ございません。今年度,新しく国語科の担当になりました 市川 景一朗(いちかわ けいいちろう)と申します。よろしくお願いいたします。

 今年度は1年生の担任になりました。光小学校1年生の私と子ども達のチームで頑張っていこうと思います。

 さて,現在の子ども達ですが,どの授業においても「自分の意見や考えを聞いてもらいたい!」という意欲を素直に表に出しながら取り組んでいます。1年生の素直さは素敵だなと思わされます。その素直さを生かし,国語科では,自分のことや見つけたこと,思ったことを伝える学習から始まります。子ども達の伝えたいという思いを大切に,絶やさないように,「授業で発表するのが楽しい」と思えるような雰囲気づくりに努めたいと思います。
 相手を見て話したり,聞き取りやすい声で話したりする姿を価値付けながら指導していけば,きっと子ども達も自然とそのような姿になるのかなと思います。聞く側についても,同様です。

 ということを4月に考え,もう5月中頃となってしまいました。気付けば1年経ったということにならないよう,1年生の国語科と向かい合いながら過ごしたいと思います。


【国語科】言葉を大切にする! 国語科の学習スタート!
2023/04/12
 この学校に来て,2回目の春を迎えました!
 今年度も国語科を担当します,大塚祐亮(おおつかゆうすけ)です。今年は,6年生の担任と,5年2組と6年生の国語科の授業を担当します。

 人生初の6年生の担任ということで,板書のスピードや文字の大きさ,活動の時間配分など,悩むことも多いですが,とても新鮮な気持ちで子どもたちと関わることができて,とてもうれしく思っています。

 6年生では,『つないで,つないで,一つのお話』(光村図書6年)からスタートし,友達の考えた一文に繋げるために,言葉を選び,表現を考え,楽しみながら一つのお話を作る姿が見られました。円になって,「次は,どんな展開になるのだろう?」とワクワクしながら,友達の言葉を待つ姿がとても素敵だなと思いました。

 さて,本学園の国語部では,『述べ方の効果や読後感の要因等を捉えたり問い直したりして言葉への自覚を高めていく授業が,教科の本質に迫る授業だと捉えています。
 自分の感じたことや考えたこと(主張)を,根拠や理由を明確にして話し合い,多様な考え方の中で,『国語科』という教科を楽しみながら学んでほしいなと考えています。

 そのために,今年度は,物語文を中心に,『自分の考えの可視化』というのを目指して,授業づくりをしていきたいと考えています。一人ひとりの子どもたちが,「なんとなく」「たぶん」といった『直感的思考』を,具体的な考えである『論理的思考』へと昇華させることができるよう,発問の工夫や手立てなど構想し,実践していきます。
 また,『国語科×ICTの活用』というのも一つの目標として,授業内で積極的に活用していこうと考えています。私も,子どもたちもICTを「使えないから使わない」のではなく,「使えるけど使わない」という様に,自ら取捨選択し,一つのツールとして,活用することができるようになればいいなと思います。

 今年度も【授業づくり研修会】も開催する予定です。そして,【研究発表大会】は,参集型で行う予定ですので,ご興味のある方は,ぜひご参加ください。
 私自身,まだまだですので,多くの方とお会いして,話し合い,国語科の授業づくりについて深めていければいいなと思っています。よろしくお願い致します。

『海の命』(光村図書6年)
2023/02/06
みなさん、こんにちは。先日のトピックスでは、1月27日に本校で行った研究協議会について簡単に紹介しました。今回は、『海の命』の実践について紹介します。

私は国語科の学習では、作品を読んで、自分がどのように思ったかを話し合うことを大切にして、授業づくりを行っています。
その中でも、話し合いを子どもたちが自ら進め、自分たちで作品に対する考えを広げ、深めていくために、「問いづくり」を大切にしています。
そもそも、なぜ話し合うことが大切だと考えるかというと、作品に対する感じ方は一人一人異なっていることが多く、その感じ方の違いに触れることが多様な読みにつながると考えるからです。しかし、「いろいろな感想がある」というだけでは、国語科の学びとしては不十分です。だから、「どこからそのような印象をもったのか」「そのような印象をもったのはなぜか」と作品を深く読み込みながら話し合うために「問い」が必要だと考えています。

それでは、「問いづくり」をどのように行ったかを紹介します。
まず、単元を貫く問いとして私から「作者の表現は,太一の行動を納得させるものだと感じたか」と投げかけました。これは、学級で範読を聞かせた時の「この話はハッピーエンドなのか?バッドエンドなのか?どっちなんだ?」という感想を基にしました。

物語のラストは太一や周りの人が幸せになっている様子が描かれています。しかし、それに加えて、太一がとった行動を「もちろん生涯だれにも話さなかった」とあるのです。この文によって、子どもたちの作品の印象が揺らぎました。「なぜ、生涯だれにも話さないのか?」「『もちろん』と付いているのはなぜか?」と着目していました。

子どもたちからは、単元を貫く問いを考えるためにはいくつか他にも考えたい問題があるという言葉が出ました。作品に対する疑問を思うままに出させた後、作品を読めば答えが見つかるものと、読んでも答えがはっきりしないものとに分けました。その疑問の中から「単元を貫く問いについて考えることにつながりそうなものはどれか?」と話し合いました。

問い@ 太一の目指した漁師像について
・お父と与吉じいさの漁の違い 
・一人前と村一番の違い
問いA 太一がクエをお父だと思ったのは無理やりか自然なことかを話し合う
・「打たなかった」と「打てなかった」の比較
・太一のクエに対する行動や心情の分かる叙述
問いB 結末の3行があることによる印象を話し合う
・「生涯だれにも話さなかった」ことが付け足された印象
・「もちろん」という語りの印象の違い

問い@は、授業中で解決せず、「太一は『どうなりたい』という意識があったのか」という問いそのものを疑問視する声も聞かれました。
問いAは、太一の心情が大きく変容したことは確かだと読み取ったうえで、一人前になれないと泣きそうであった主人公が、クエに対してふっとほほえむまでに心情を変容させた理由がまとまらず、学級全体が紛糾しました。

この2時間で、叙述をつなげて読もうとする姿や太一の行動や心情の変化を作品に散りばめられている言葉を比べて読もうとする姿が多く見られるようになりました。
物語には、書かれていないが読者の想像で補える部分が多くあります。だからこそ、自分の読みは他者とどう違うのか、他者はどのように読んでいるのか、その読みには納得できるかと考え、話し合っていくことが大切だと子どもたちと実感しました。

問いBは、話合いに入る前に「何について話すとよいかポイントはあるか」と子どもに投げかけるところから始まりました。これは、問い@Aの子どもとの振り返りから「もっと話合いの土台をそろえるような問いが必要だった」ということが出たためです。

子どもからは「そもそも、みんなは3行の印象をどう思っているのか。ハッピーエンドとバッドエンドの捉えが違っていると話し合ってもまとまらないだろう。」と出ました。
問題の「もちろん生涯だれにも話さなかった」については、半数以上の子が「バッドエンドのように感じる」と答えました。その理由が「生涯だれにも話さなかった」だと言いました。
しかも「もちろん」という言葉まで付いているのです。

この一文と言葉への印象を話し合う中で、子どもたちは「もしも漁師仲間や家族にクエを打たなかったこと言ったら、どのようになっていたか」と考え始めました。そこで、「もしも、クエを打ちたい思いが主人公に残っていたら、また、海に潜るはずだ。」「そうなると、太一の母は穏やかではいられなかっただろう」「家族も海に潜りたいという思いをもち、危険にさらすことになっていたかもしれない。」だから、「打たなくてよかった」という思いをもっていると読むことができるのではないかという考えにまとまりました。
この時点でも今までの問いよりもかなり納得度の高い答えが出せたと子どもたちは感じていましたが、さらにこのような問いが子どもから新たに出ました。

「『また会いにきますから』という太一がクエにした約束が守られていないことが気になる。どういうことか?」

「『会いに行く』とはどういうことなのか」と子どもが深く悩む問いが出てしまった、でも、面白いと私は思いました。
しかし、予想に反して子どもたちの思考は随分まとまっていたようでした。この問いに対して出た答えは、
「死んでから会いに行くということではないか。」
「父も与吉じいさ、村の漁師も死んだら海に帰るとある。だから、太一も死んだ後に会いに行くという約束をしたのだろう。」
でした。子どもたちは、作品のすべてがつながったような読みができたことで歓声を上げていました。

そして、子どもたちは「もちろん」という言葉が使われていることに対して、太一の思いを伝えるためにある言葉であると捉え、なくてはならないと考えることにつながりました。そして、このラストは太一にとって「ハッピーエンド」を表現していると結論づけました。

今回の学習では、問いBの答えに学級全体が納得するという結果になりました。
国語科の物語文の学習では、明確な答えが出ないこともあります。その中で、言葉や文に着目しながら、その表現の意図を考えたり、印象の要因を捉えたりしながら自分の考えをもって話し合うことが大切だと考えています。そのための問いづくりと話合いを行いました。

このような学習にすることで、子どもたちは自分たちで学習を進めているという感覚をもち、難しさと共に楽しさを感じていました。また、話合いを深めるために叙述を比べて読んだり、つなげて読んだりすることや、「自分なら」と考えて読んだりすることの面白さを実感していました。中学生でも話し合いを中心で学習を進めたいという思いをもっています。

ここで紹介した実践には具体的に教師がどのように発言するのかということは述べていません。作品の中の言葉一つを取り上げながら、その印象について考えさせることを通して、作品全体について考えることにつながると考えています。
何度も繰り返し子どもたちに言うことは「どこからそう思ったのか」「なぜそう思ったのか」です。

ぜひ、みなさんも実践するときに子どもと作品について語り合う気持ちで、何を問うかと考えてみてください。(有田友萌)

小中一貫教育研究協議会の御礼
2023/01/30
1月27日に本校の研究協議会が行われました。国語部では、物語文での提案をしました。

会に御参会いただいた皆様、本当にありがとうございました。また、本校のホームページから指導案を御覧いただいた皆様もありがとうございました。

本校では現在、well-beingにつながる学びの中で「エージェンシー」という概念に着目して学習を進めています。
「エージェンシー」とは、とっても簡単にいうと、「自分で責任をもって行動する力」のことです。

私は、このエージェンシーを話合いの中で発揮させようと、物語文の読み取りを仕組みました。

特に力を入れたところは、「問いづくり」です。
子どもたち主導で、問いを精選し、学びの道筋を決めたことで、「自分たちで作品を読み進めていくのだ」という意欲を継続させることにつながりました。

また、問いを解決していく中で、誰かが意見を言うのを待つだけでなく、自分なりの解釈を伝え合う姿も多く見られました。

この単元の詳細は、後日、こちらに掲載しますので、よければ、また本校ホームページにお越しください。

また、2月3日(金)は本学園中学校の国語部が説明文の授業提案を行います。まだ、参加受付中ですので、ぜひ御参会ください。(有田友萌)

「利用案内を読もう」(光村図書6年)
2022/10/27
本校は今週末に運動会が控えています。担任している子どもたちはダンスや係活動に熱心に取り組んでいます。最後の大舞台が晴天になりますように!

さて、運動会の前には教育実習も行われました。
クラスへ2名の教育実習生が配属され、国語と算数の授業を行いました。

今回は国語の授業の様子をお伝えします。

「利用案内を読もう」という3時間の単元に取り組みました。
この授業では、紙媒体のパンフレットやリーフレットのよさ、ウェブサイトのよさのどちらにも気付き、より効果的に情報収集できるようになることをねらいとしました。

そのために、1時間目…パンフレットで情報を集める。2時間目…ウェブサイトで情報を集める。3時間目…両方を活用して情報を集めるという場を設定しました。

1時間目には「パンフレットは、もういらないよ」「端末さえあればどんな情報も手に入る」と言っていた子どもたち。パンフレットから情報を見付けることも簡単にできてしまいます。しかし、「端末があるのに、パンフレットがなくならないのはなぜか」と考え始めると、目的意識や相手意識に気付くことができました。

例えば、「スマホを使い慣れてない人は、パンフレットの方が便利」「一目で情報を比較できる」「旅行に行ったら、パンフレット自体が思い出になる」「公的な機関が発行しているから正しい情報だと信頼できる」などです。

2時間目には、地元の伊藤公資料館のウェブサイトから情報を集めました。ウェブサイトの便利さは十分実感できていますが、若干信頼しすぎている部分もあります。そのため、パンフレットも同時に確認できるように渡すと、こんな意見が出ました。

例えば、「更新頻度はウェブサイトの方が高いから最新の情報が手に入る」「何よりも手軽」「パンフレットは一目で書いてあることが分かる」「知りたい情報以外にも目が行くのがいい」「ウェブサイトだと何度もリンクをたどる必要が出て、迷子になることがある」などです。また、「パンフレットの製作にはお金がかかるはずなのに、作り続ける意味はあるのか」などの意見も出ました。

3時間目には、複数の情報を関連付けて、条件に合う答えを見付けるというまとめの学習をしました。1時間目には「利用案内を読むなんて、誰でもできる」と言っていた子どもたちも、複数の条件に合う答えを見付けるためには、様々な情報の中から必要な情報を見付けることが必要になり、脳に汗をかきながら必死に学習に取り組んでいました。

教育実習生のY先生は、子どもたちにより情報を読み取る実践的な力を付けさせるために、どんな問題にしようかとたくさん悩み、とても面白い問題を考え付きました。
おかげで、子どもたちは前時までの2時間だけでなく、今までの検索能力も生かして、情報収集に取り組むことができました。
そのおかげで、「どれが正しい情報なのだろう」「これだと条件を満たしていない」「もっと早く見つける方法があったのか!」と様々な声が聞かれました。

物語文や説明文のような時間のかかる教材の間にあるこのような教材は、見落としたり、軽視したりしてしまいがちです。しかし、子どもたちが社会で生きていく上で非常に実用的ですぐにでも生きて働く力になります。

そのような力が子どもたちに身に付くように、パンフレットの実物を用意し、子どもたちが楽しく学べるように機会を作ってくれたY先生に、私も子どもたちも感謝しています。

楽しい8日間をありがとうございました。

『たずねびと』(光村5年)〜表現への着目〜
2022/10/10
皆さん,こんにちは。すっかり秋めいてきて,朝晩は半袖では過ごせなくなってきた今日この頃です。私は10月から始まるドラマに首ったけになっており,誰かとこの感想を話したくて毎日そわそわしています。

国語科の学習で取り扱う文学的文章も日頃親しんでいる読書も,そんな風に自分なりの感想をもって,友達と解釈を語り合ったり,続きを想像したりできると楽しいだろうなと思います。そんな授業をしたいなと思い,模索中です。

さて,今回は,文学的文章の『たずねびと』(光村図書5年)の実践についてお話します。

この作品は,原爆について取り上げられています。私が一緒に学習している5年生は,あまり原爆のことについて知りませんでした。そして,広島県のお隣,山口県在住,11歳。主人公「綾」との共通点が多く,興味津々で読みがスタートしました。

子どもたちは原爆の悲惨さや悲しさに目を向けると同時に,作者の朽木祥先生の紡ぐ言葉に子どもたちは関心をもちました。

そこで,表現の効果に着目しながら,物語の全体像を捉えるという目標にしました。

数字に関する表現,人に関する表現,風景に関する表現がたくさん見つかりました。
「表現の効果」は読み手にどのように印象付けられているか,自分たちの読後感を基に話し合いました。表現に着目しながら読むことで,主人公の考えの変容が分かりました。

朽木先生が伝えたかったことを子どもたちがまとめた作文を2つ紹介します。

Yさん 
朽木先生が伝えたいことは,「ここでどんなにおそろしいことが起きたかを忘れないでほしい」「二度と同じような目に合わないでほしい」ということだと思います。主人公の最後の思いの部分が書かれている前に「わたしたち」と書いてありました。朽木先生は,「わたしたち」に読者を含めて書いたのだと思います。だから,この一発の爆弾の恐ろしさを忘れずに生きたいです。

Cさん 
朽木先生が伝えたいことは,原爆の恐ろしさだと思います。なぜそう思ったかというと,「秋の空は高く青くすんで,ゆったりと流れる川にも空の色がうつっていた。骨組みがむき出しのドームがその場にあるのが不思議なくらい,明るく晴れ晴れとした景色だった。」と逆のことを言って印象付けていると思ったからです。ぼくはこの文章をもっと世界に広めていくといいと思いました。そうすることで、世界のたくさんの人に原爆の恐ろしさを知ってもらい,誰も二度と同じような目に合わなくて済むと思ったからです。

(有田友萌)

日々のあれこれ
2022/07/18
もうすぐ夏休みです。暑さが増し,夏本番といった様子ですが,皆様いかがお過ごしでしょうか。

今年度は,まだ新型コロナウイルス感染症の心配がつきませんが,水泳学習と修学旅行を行うことができました。

2年ぶりとなる水泳学習では,久しぶりの大プールに子どもたちも緊張気味でしたが,気持ちよく泳ぐことができました。

また,7月の初旬には修学旅行にも行きました。歴史的建造物やテーマパーク,ホテルで過ごした思い出は何にも代えがたい宝物になりました。

新型コロナウイルス感染症の拡大はとどまることをことを知りません。しかし,「子どもたちのために」と水泳学習,修学旅行の実施を決定し,実施まで御尽力いただいた関係者の皆様には,心より感謝申し上げます。

これから夏休みで,子どもたちは思う存分,羽を伸ばしたいことと思います。くれぐれも健康と事故に気を付けて,心と体をリフレッシュできる夏休みにしてください。(有田友萠)

『感想』から『学習』へ
2022/06/29
早いもので,6月が終わりに近づき,今年の半分が過ぎようとしています。
学校では,2年ぶりに水泳学習が始まり,プールで楽しそうに活動している子どもたちの姿が見られました。本格的な夏が始まりそうな今日この頃です。

さて,4年生の国語科では『一つの花』(光村図書4年)の学習を行っています。
この単元では,「登場人物の気持ちの変化や性格,情景について場面の移り変わりと結び付けて具体的に想像できる」ということが大切になってきます。しかし,『想像できた』だけで終わりではありません。自分が想像したことを,友達が理解できるように説明できてこそ想像したことに『意義』があります。また,その考えを友達と話し合い,広めることで,新たな考え方が生まれたり,考えが深まったりすると考えています。
 
 『一つの花』の本文を聞いて,子どもたちは初発の感想を書きました。感想を書く際に,提示した視点は以下の三つです。
 ・どのような物語だと思ったのか
 ・自分が一番印象に残ったところはどこか
 ・不思議に思ったところや,疑問に思ったところはあったか
 上記の視点を含めて感想を書くことによって,「どのような感想を書いたらいいのか分からない」と迷うこともなく,子どもたち一人ひとりが思い思いの感想を書いていました。
 その後,班になってお互いの感想を発表し,『共通点』を見つける活動を行いました。「悲しい物語だと感じた。」「なぜ,お父さんはゆみ子に『一つだけ』コスモスを渡したのか疑問に思っている人が多かった」「なぜ『一つだけ』が口癖になってしまったのか気になった人がいました」など,多くの共通点(疑問)が見つかりました。
 子どもたちの感想は,学習を活性化させるための宝庫です。子どもたちの感想の中にある『疑問』を学習に取り入れ,その『疑問』を解消していくことで,最初に見えていなかったもの,感じることができていなかったものが,段々と分かるようになっていくのではないでしょうか。

 「なぜ,作者は『一つの花』という題名を付けたのか?」

 この問いに対して答えるためには,表面的な文章を読んだだけでは答えにたどり着くことはできません。叙述に基づいて考えたり,その時代や場所などの背景を考えたりすることで,ゆみ子にコスモスを『一つだけ』渡したお父さんの気持ちを想像することができます。そこまで考えることができて初めて,作者の『一つの花』に込めた思いを想像し,自分の考えとして明確に表すことができると考えています。
子どもたちの考えをしっかりと引き出し,交わらせ,学習を進めていこうと思います。

『私と本』(光村図書6年)
2022/06/19
6月は教育実習,市の音楽教室,プール開き,修学旅行準備,卒業アルバムの写真撮影など,毎日何かしらの行事があり,忙しい毎日を送っています。

そんな中,2週間前に終わった教育実習では,実習生の先生と国語科の『私と本』という学習に取り組みました。
ねらいは,ブックトークを行うことで,新たなジャンルの本に目を向けようというものです。

光小の子どもたちは日頃からよく本を読みます。人気なのは,学習漫画や推理小説,ファンタジー,青春がテーマの本のようです。
自分が興味のあるジャンルの本を友達に興味を持ってもらうにはどのように紹介したらよいかと考えていきました。
紹介の工夫は大きく2点です。それは,「内容をどのように伝えるか」と「話し方」です。

1つ目の内容の伝え方については,まず実習生のお手本を基に考えました。
「ネタばれした方がいい?」
「自分の感想を押し出してみようかな?」
「映画化とかアニメ化っていうことは売りだよね」
自分ならどうするだろうと実習生の紹介を改善していき,自分の紹介を考えるときのコツにつなげていきました。

2つ目の話し方については,今まで何度もしてきた発表からどのような話し方をすると相手に伝わるかと考えました。
今回は,ブックトークなので一方的に話しても相手は興味を持ちにくいかもしれません。やり取りができるような話し方を考える子もいました。

実際にブックトークをしてみて,今まで選ばなかったジャンルの本に興味を持った子も多くいました。また,本について語り合うことに楽しさを見出した子もいました。
今回の学習で,実習生の先生が教えてくれたことは,「相手を意識した伝え方」だと思います。子どもたちは,実習生の先生に教わったことを頭の引き出しに入れ,これからも様々なことで語り合い,考えを広げ,深めていくことでしょう。
(有田友萌)

前ページTOPページ次ページHOMEページ
- Topics Board - Skin by Web Studio Ciel

光小トップ研究国語科トピックス