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1年生って,なんでもできる!
2023/05/11
 連休が明け,学校生活が戻ってきました。
(子どもたちの変わらない元気な姿に安心しつつ,その力強さに追いつけず圧倒されているところです。)
 御挨拶が遅れ,申し訳ありません。光小学校で生活科を担当している,徳永 真衣(とくなが まい)といいます。本校勤務は3年目となりました。
 今年度は,1年生の担任を務めさせていただきます。

 昨年度までは2年生を担任していたのですが,同じ低学年でもこの2つの学年の大きな違いに日々驚かされています。4月は,学校生活を送るためのベースを少しずつ一緒に作っていくので精いっぱいでした。当たり前ですが,1年生にとって初めてのことなので,見通しをもたせる説明をしたつもりでも,こちらが想定していることの何倍も素朴な疑問が返ってきました。そして,行動がびっくりするほど自由です。こちらが全体に話をしていても,お構いなしに飛んでくる「せんせい,きのうね〜」「あのね,ぼくね…」「わたしも〜」の嵐。これまでの1年生の先生方へ,もっと感謝しなければならなかったな…!と感じました。

 しかし,会話を重ねたり,子どもたち同士の関わりを観察したりしていると,「すごい!」と気付かされることがありました。今日はその中でも特に感じた2つを紹介します。

@生まれてからこれまでに培った経験がすごい!
 現在本校では,運動会の練習の真っ只中。学校生活に慣れることに必死だった1年生にとっては,少し遅れた練習スタートとなりました。この子たちにとっては,初めての小学校の運動会。そういえば,幼稚園や保育園ではどのように過ごしていたのだろう…と気になり尋ねてみると,「あのね,わたしのようちえんではね…」「これは,こうするんだよ!」と知っていることをいっぱい教えてくれました。運動会の並び方について説明し,「これは難しいから覚えられないと思うけど…」と前置きで伝えると,「いや,できるよ!」「そんなの,かんたーん!」と,すぐさま覚えて行動し,誇らしげな様子を見せてくれました。

A自由な行動に現れる,思いや願いがすごい!
 小学校に入学して,子どもたちはやりたいことで溢れているのだな!と感じました。ある日,校庭へ春見つけに出かけ少し自由な時間を設けたところ,子どもたちは庭を縦横無尽に駆け回り,みるみるうちに草花遊びを始めました。(シロツメクサを髪飾りにしたり指輪にしたりして見せてくる姿の可愛らしいこと!花束を作って「おかあさんにおみやげにする」と言う様子の微笑ましいこと!)他にも,押し花作りをして紙に貼り付けたり,色水を作ってみたり,観察がしてみたい!と言い出したり…。この原動力の宝庫のような空間の,なんと尊いことか!と思いました。

 この2つのことから私が導き出した考えは,「1年生は『なんでも1つずつ教えてあげる必要がある存在』ではなく,『なんでもやりたい気持ちをもって型破りに実現へ向かえる存在』だ」ということです。子どもたちにとっては,確かに初めての学校生活。けれども,この初めては「ゼロから」の初めてではありません。これまでの「生活」で身に付けたものや感じてきたことへ,さらに鮮やかな色を付けるように,子どもたちのつぶやきや行動に表れる思いや願いを大切にしながら,もっともっと自分の世界を大きく広げていくような「生活科」の学びを子どもたちと行えるように精進してまいります。

 1年間,よろしくお願いいたします。

「思いや願い」を育むために
2022/07/20
 夏休み,到来です!皆様、いかがお過ごしでしょうか。
 2年2組の子どもたちは,大事に育ててきたミニトマトやキュウリの鉢を家に持ち帰りました。
 長い栽培単元でしたが,その分,野菜のお世話を通して多くのできるようになったことや学んだことがあるように感じます。

 さて,前回は生活科において目指す子どもの姿として,「自立し,生活を豊かにしていく子ども」についてお話をさせていただきました。では,そのような子どもを育成するために授業づくりで考えたいことは何かというと,

@題材に対する「思いや願い」を育むこと
A題材と関わる中で「気付きの質を高める」こと
なのではないかと考えます。

 例えば,題材に対して「できるようになりたい!」「〜したい!」という思いや願いを感じることが,主体的に活動することにつながり,個別の気付きが関連付けたり,自分の成長に気付いたりする(気付きの質が高まる)ことが,考えるからです。今回は,「@題材に対する『思いや願い』を育む」ためには具体的にどのような手立てを用いてすればよいか,少し一緒に考えさせてください。

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@題材に対する「思いや願い」を育むこと
子どもたちが単元の中で「やってみたい!」「こうなってほしい!」と目指していくものだと捉えています。学習指導要領では,生活科の教科目標の設定の背景として「児童が身近な人々,社会及び自然と直接かかわる活動や体験を重視し,児童が自分の思いや願いを生かし、主体的に活動することができるようにするとともに,そうした活動の楽しさや満足感,成就感を実感できるようにする(P.9)」とあります。

 そこで,このような活動を仕組みました。

・単元が始まる前に,学校給食で使われるスナップエンドウの筋取りを,第2学年で行った。
→自分たちが筋取りをした野菜が給食に出るということで,いつもよりも野菜を多く食べる姿が見られた。この活動をきっかけに,学級に野菜の本を置いたり,これから野菜を育てる活動ができることを意識させたりした。

・単元を通して,常時活動として毎日野菜の世話をしたり,様子を観察したりする時間を設定した。
→自然と愛着が生まれ,進んで見に行く様子が見られた。「昼も暑いから多めに水をあげた方がいいかも」と,進んで水をやりに行っており,野菜が大きく成長するように積極的に働きかけていた。また,課題解決へ向けて話し合う場面では,自分の生活経験をもとに具体的な策を講じるなど,自分事として捉えることができていたように感じた。

・単元の半ばに,野菜が成長するにつれて茎が倒れる,葉が病気にかかる,実が鳥獣の被害にあうことなどの課題が発生したタイミングで,その対策会議を学級で開いた。
→学級全体で「支柱を立てよう!」と協力して対策したり,子どもたちが自ら調べて道具を持ってきたりする姿が見られた。

・農業のプロの方から話を聞く機会を設けた。
→対策会議を開いたときに「野菜について知るためにはどうすればよいか」と尋ねると,手立ての一つとして「野菜の苗を売っているお店屋さんに聞く」という意見から,今後の栽培活動の意欲へとつながるようにした。

 以上のことから,思いや願いを育むことこそが,その後の子どもたちの活動を主体的に動かすエネルギーになっているのではないでしょうか。

 限られた学校生活の中では,そして生活経験が乏しい子どもたちの意識だけでは,思いや願いを持続させたり,新たな行動を起こしたりすることは難しいです。そこで,子どもたちが単元の中で「やってみたい!」「こうなってほしい!」と思えるような活動,教室環境,家庭・地域との連携,専門家への相談などを通して,育んでいきたいと思います。

生活科の単元をスタートさせるとき
2022/06/16
 中国地方も先週から梅雨入りし,天気に左右される日が続いています。皆様,いかがお過ごしでしょうか。
 2年生の野菜は今のところ順調で,みんなで収穫の喜びを味わっているところです。
 小さいたった一粒のミニトマトでさえ,4等分にして家族で大事に食べたと言う子もいて,子どもたちの思い入れの深さを感じました。私自身,子どもに便乗して一緒に頑張って育てているトマトが赤くなるのを,今か今かと待ち望んでいます。(わき芽を放ってしまい,花が咲くほど大きく育ってしまいました・・・。子どもたちには「切った方がいいよ!」と勧められるのですが,ここまで育ってしまうと切るのがかわいそうになってしまい,今も悩んでいます。)

 さて,先週の6月10日(金)には,オンラインにて「第2回授業づくり研修会(生活・総合)」を開催しました。御多用の中,御参加いただいた皆様,本当にありがとうございました。今回は,その研修会の内容も踏まえて,少しお話させていただきます。

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 生活科の単元をスタートさせるとき,どのような子どもの姿を目指されていますか?
 私は,生活科で目指す子どもの姿とは,「自立し,生活を豊かにしていく子ども」だと考えます。

 学習指導要領解説には,

○「自立」とは
・学習上の自立・・・興味・関心から自発的に学習活動を行い,その思いや考えを適切に表現すること
・生活上の自立・・・実生活で必要な習慣や関わり方を身に付けていくこと
・精神的な自立・・・自分自身のよさに気付き,意欲や自信をもつことで,将来や自分自身のあり方を求めていくということ

○「生活を豊かにしていく」とは
→生活科の学びを実生活に生かし,よりよい生活を創造していくこと

とあります。これを,野菜の栽培単元で考えてみると・・・

・自分が可愛がっている野菜の観察で,絵や言葉によって表現する(学習上の自立)
・毎日欠かさず野菜の世話をしたり,上手く育つために工夫したりする(生活上の自立)
・一生懸命お世話をする自分のよさに気付き,これからも頑張ろうとする(精神的な自立)

というような力を身に付け,その先に

→「自分たちの野菜を可愛がるのが楽しい!ほかの野菜も育ててみたい!」と,日々の生活を楽しく充実させ,新しい夢や希望をもつ(生活を豊かにしていく)

といった子どもの姿を目指すことが,一例として挙げられます。

 このような活動を,飼育活動や町探検,おもちゃづくりなどの様々な題材で行っていきます。そうする中で,「自分でできることを増やし,自分の世界を広げていく子ども」が「自立し,生活を豊かにしていく子ども」だと私は捉えています。

 生活科の単元を始める前に,「こんな子どもになってほしいな!」「こういう考え方をできるようにしたいな!」という子どもの姿を,上記のことを基盤として思い浮かべてみてください。それをもとに,単元構成を考えてみると,生活科の授業づくりが楽しくなってくるのではないかな,と思います。

 では,実際にそのような子どもを育成するために,どのような手立てが考えられるのでしょうか?
 長くなってしまいましたので,また次回以降にお話をすることができればと思います。


 これから日に日に暑さも増すことでしょう!皆様,熱中症にはくれぐれもお気を付けください。

とまちゃんとわたしの成長ものがたり
2022/06/02

御挨拶が遅くなってしまい,申し訳ありません。
昨年度に引き続き,生活科を担当させていただく,徳永 真衣(とくなが まい)と申します。

また,本年度も2年生を担任することになりました。
明るくて頑張り屋な子どもたちと一緒に,今は野菜を育てています。

子どもたちは,ミニトマトやキュウリなど,好きな野菜を自分たちで選び,毎日の成長を楽しみに,お世話を続けています。
1年生のときにも,アサガオを育てていた子どもたちです。野菜の栽培では,野菜の特徴に気付いたり,世話の仕方を工夫したりするだけではなく,お世話を頑張っている自分自身の成長にも気付けるような活動を仕組めたらと思いながら,目下授業を進めています。

その手立てとして1つ取り組んでいるのは,野菜の栽培で1冊の物語を作るということです。そうすることで,野菜の成長の様子の機微だけではなく,自分自身の心持ちの変容を捉えられるようにできると思ったからです。

初めの1ページ目は,育てたい野菜の種類としてみたいこと,そして野菜へメッセージを送ることです。一人一人の植木鉢の野菜には,それぞれ名前を付け,自分の子どものようにかわいがっています。(葉っぱがふわふわだから「ふわちゃん」,キュウリの葉っぱのとげとげから「とげちゃん」など,とてもかわいらしいネーミングセンスでした!)

その後のページは,観察カードやお世話のメモ,問題が起こったときに行った対策会議,野菜の特徴について調べた記録などを,順に蓄積しています。子ども自身,「最初に植えた頃よりも大きくなったよ!」「もう支柱を追い越しそうなくらい背が高くなった!」と,日々の成長に驚き,喜んでいる様子でした。今はもっぱら,野菜に付いている害虫や,葉っぱの病気と闘っています。本で調べたり,専門家の方へお聞きしたりしながら,子どもたちと作戦を練っていきたいと思います。

そうして,日々の記録を見返したとき,「野菜って,こんなふうに日々成長しているんだな」「野菜によって,お世話の仕方が違うんだね」ということだけではなく,「私って,こうやってお世話を頑張って続けることができるんだな」という,すてきな自分にも気付けるようになってくれることを願っています。

今年の生活科も,とても楽しみです。
今後とも,どうぞよろしくお願いいたします。

「(9)自分の成長」の題材をもとにしたオンライン協議会のお知らせ
2022/01/28
 4月から学校がスタートし,2年生が始まってもう10ヶ月が経とうとしています。学校全体としても,少しずつ次の学年への期待や意欲が高まっている時期です。そんな時期だからこそ,生活科では過去の自分を振り返り、これまでに成長してきたことを実感するための単元が設定されているのだと思います。何を当たり前なことを…と思われるかも知れませんが,今回はこの単元に関係する子どもの姿を少し御紹介します。

 単元名「再発見!わたしのきらり 〜あしたへ ジャンプ〜」

 この学習では,自分の過去と現在とを比べることで,自分の成長を実感するとともに,これからの自分の成長に向けての意欲をもつことをねらいとしています。まずは,2年生になって成長したことについて,友達や自分自身と対話をしながら振り返りました。この学習では,自分自身の成長の様子=『きらり』として付箋に書き留めています。
「ミニトマトが食べられるようになった!」
「なわとびがたくさん跳べた!」
という具体的な『きらり』だけではなく,
「自分に自信がついた!」
「時計を見て動くように考えた」
という,自分自身の心に関わる『きらり』についても考えることができました。

 友達と『きらり』を見つけ合う場面では,
「いつも友達に優しくしていてすごいね!」
「足が速いの,うらやましいな〜」
「あのとき私の背中を押してくれてありがとう」
と,互いに成長を喜び合う姿が見られ,私自身も聞き入り感動してしまいました。

 こうして自分の成長に関する充実感を感じた後に,子どもたちが疑問に思ったのは,「今,こうやって成長している前はどうだったのか」ということでした。

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 この後,子どもたちがさらに自分の過去に興味をもち,自己の変容や自分らしさについて考えるようになるにはどのような手立てを打てばよいのか,今回,授業をさせていただきました。その授業をもとに,2月11日(金)の第1回小中一貫教育研究協議会(オンライン)にて提案させていただきます。生活科と総合的な学習の時間は,同じ協議会です。御参加いただける皆様,どうぞよろしくお願いいたします。

 さらに今回,協議会内の生活科の時間では,well-beingにつながる生活科の学びについて,授業を通して一緒に考える時間にしたいと思っております。

【well-beingとは?】
 本学園では,well-beingを「個人だけでなく,社会や地球環境まで含めた全体的に良好な状態」と捉えています。
 教科等の本質に迫る授業で身に付けた資質・能力を,人生において自在に発揮できる子どもを育成することができれば,社会が抱える複雑で困難な課題を解決していくことができ,well-beingの実現につながると考えています。

 では,「well-beingにつながる生活科の学び」とは,どのようなものなのでしょうか?これまでの生活科の学びとの違いはあるのでしょうか?さきほど少し御紹介させていただいた,生活科の内容「(9)自分の成長」についての題材を通して,考えることができればと思います。

 皆様の御参会をお待ちしております。

うごくうごく わたしのおもちゃ 〜附小祭〜
2021/12/07
 日に日に寒さが増していますが,みなさま,いかがお過ごしでしょうか。

 先月の附小祭では,多くの方にお越しいただきありがとうございました。2年2組は,以前書かせていただいた「うごくうごくわたしのおもちゃ」の単元で作ったおもちゃを使ってお店を開きました。あれから試行錯誤を重ね,自分の作りたいおもちゃを決めた後,グループに分かれて楽しくおもちゃをつくる様子が見られました。

 つくっていく中では,あまり上手に動かず困る場面や,友達と遊んでもあまり面白さが感じられない場面もありました。しかし,
「風の当たる場所を大きくしたら,もっと速く進むんじゃない?」
「これは,ストローに当たる場所を長くしたら,音が鳴って楽しいかも!」
「ここでクリップが引っかかっちゃうから,引っかかるところを紙でカバーしたよ。」
など,材料を変えたり,遊び方を変えたりと,友達と話し合いながら工夫する姿が見られ,とても素敵でした。

 また,今回は附小祭という多くの方を招待して遊んでもらうという場があったので,さらに遊び方を工夫したり,来た人が喜ぶようなおもてなしを考えたりしました。幼稚園児、小学生、大人,いろいろな人が来たときを想定し,
「大人と子どもで難しさを変えてみよう!」
「タイマーで時間をはかって遊ぶようにしたよ。」
「好きなおもちゃを選んで勝負するんだよ。」
「一人で来たお客さんには,対戦相手になろう!」
と,楽しく考えることができました。子どもたちは遊びのプロだなと,改めて感じられる一面でした。

ぐんぐんそだて わたしのやさい 〜秋〜
2021/11/05
 11月になりました。子どもたちから,
「すすきやねこじゃらしを見付けたよ!」
「昨日サンマを食べたんだ。」
「おうちにかきがいっぱいあるんだよ。」
という話を聞くたびに,秋の深まりを感じます。紅葉や銀杏の葉が,赤や黄色に色づくのが楽しみです。

 さて,2年2組では,5月に植えたサツマイモが無事実り,先月収穫を行いました。これまで,水やりや草抜きなどを頑張ってきた甲斐もあり,大きなサツマイモがたくさん収穫できました。その後,そのサツマイモを使ってしたいことを話し合った結果,「大学芋をつくって食べよう」ということが決まり,先週は調理を行いました。
 栄養教諭の先生に御指導いただきながら,調理を進めていきます。日頃入る機会のない家庭科室にお邪魔して,包丁で切ったりフライパンで炒めたりと,ドキドキ体験の連続です。交代制で調理を行いましたが,安全に気を付けて慎重に取り組む姿が見られました。
 調理が終わったら,早速実食です。あまりたくさんの量ではありませんでしたが,どの子もゆっくり味わって食べていました。以下,子どもたちの学習の振り返りの一部をご紹介します。

・フライパンをつかって,楽しくつくりました。あまりにもおいしかったので,ちょっとずつ食べました。これからも,やさいの水やりをちゃんとしようと思います。
・つくってみて,とてもおいしかったです。またこんどもつくってみたいです。ぼくは,きゅう食の時間のこすものをへらしたいと思いました。
・さつまいもが,お店で食べたものよりふっくらしていて,私はさつまいもがにがてだけど,おいしく食べられました。つぎにやさいをそだてるときも,きちんと水をやろうとおもいます。
・思ったよりもかんたんだったけど,火はすごくあぶないということが学べました。これからやさいをそだてるとき,水をやったり,ざっ草をぬいたりして,大切にそだてたいと思います。

 サツマイモに限らず,野菜を育てているときは,「苦手だけど,自分の育てた野菜だから食べたい」「いつもはあまり食べないけれど,自分の作った野菜だからおいしかった」という子どもの話をよく耳にしました。私自身,学級を見ていても,4月当初に比べてずいぶんと給食をよく食べるようになったように感じます。生活科で学んだことが,実生活を豊かにしている瞬間に立ち会えたことを嬉しく思います。こうした姿を教員が見取り,価値付けることで,自己の成長に気付かせられるようにしたいです。

 また,今週は学級花壇で育てていた小松菜の収穫を行いました。
 毎日交代で水やりをしていたということもあり、すくすくと大きく育ちました。一人1株程度持ち帰りましたが,翌日には
「スープに入れて食べたよ。」
「お肉や卵と一緒に食べておいしかった。」
という話を聞き,嬉しく思いました。一方で,一緒に植えた春菊は種を植えても芽が出てこないという結果になりました。
「種をまく穴を深く掘りすぎたかな。」
「種が風に飛ばされてしまったかも・・・」
という意見も出ました。収穫の喜びを味わうと同時に,植物を育てる大変さについても学ぶ機会となりました。

うごくうごく わたしのおもちゃ
2021/10/22
 今週に入り急に気温が下がりましたが,2年2組の子どもたちは,明日の運動会に向けて今日も元気にダンスを踊りました。動きをビシッと止めたり,手をブンブン大きく振ったりと,準備万端です。

 先週から「うごくうごく わたしのおもちゃ」という学習がスタートしています。まだ,「おうちにお菓子の箱やペットボトルなどがあったら持ってきてね。」としか伝えていないのに,子どもたちは,
「この日をずっと待っていたんだ!」
「わたし,もうつくりたいもの決めています。」
と,もうやる気満々の様子です。

 しかし,子どもたちと最初に行ったことは,おもちゃづくりではなく,身近な材料を使って思い切り遊ぶことでした。子どもたちの経験から,「もう一度,前につくったあのおもちゃをつくりたい。」という思いが既にあったかもしれませんが,様々な遊びの中から選択し,つくるおもちゃの幅を広げてほしいと思ったため,この活動を仕組みました。
 各グループに配ったのは,いくつかの紙コップ,たこ糸,クリップ,輪ゴム,磁石など。自分の持ってきた材料と見合わせて,どんなことができるか考えていきます。活動では,磁石をクリップに引きつけたり,うちわであおいで箱を動かしたり,輪ゴムを跳ばしてみたりしました。すると,
「磁石同士を近づけると,くっついたり(磁石が)逃げたりするんだ!」
「うちわであおいでも,なかなか動いてくれないのはどうしてかな。」
「糸で引っ張るときは,軽いと動かしにくいのでおもりを入れた方がいいね。」
と,試行錯誤しながら上手な動かし方,楽しい遊び方を考えている姿が見られました。

 時間いっぱい遊んだ後は,発見したことの報告会です。どのような遊びができたのか,遊びでは,何がどのように動いたのか,実演したり,撮った動画を見せたりしていきます。「どうしてこのように動くかというと・・・」と,自分の経験から動く仕組みを説明したり,「これまでは知らなかったんだけど・・・」と新しい発見を紹介したりと,自分が考えて見付けた遊びの話で盛り上がりました。

 今回の学習から,身近な物で遊ぶ面白さや,動く仕組みの不思議さに興味をもち,友達と協力しながら,より楽しい遊びを創り出していってほしいと思います。今,教室の後には,おもちゃ広場スペースが設置されており,休み時間は子どもたちが集まって,つくったおもちゃを逐一見せに来ます。来週もきっと,新しい発見があることでしょう!

 これからどんどん寒くなることだと思います。みなさま,体調にはくれぐれも気を付けてお過ごしください。

みんなでつかう まちのしせつ
2021/09/17
 学校に子どもたちの笑顔が帰ってきました。教室は,夏休みの思い出話で大盛り上がりしています。

 今週の生活科で行ったのは,「たからの本さがしゲーム」です。探すのは図書室にある本10冊。物語や図鑑,科学の本などジャンルは様々ですが,友達と協力して次々に見つけていきました。
 教室へ戻り,「どうやって見つけたの?」と尋ねると,
「作者の名前で探したよ。」
「シリーズでまとめてあるところを見たよ。」
という言葉が返ってきました。みんなが探しやすいように工夫されていることに気付きます。
「もし読みたい本が図書室になかったらどうする?」と尋ねると,
「本屋さんかな。」
「インターネットで買ってもらうかも…」
という意見も出ましたが,
「図書館だったら,図書室みたいに借りたり返したりできるよ!」
という言葉から,図書室に似た施設である図書館に注目していき,図書室と図書館の違いについて比べてみることにしました。

 本来であれば,直接図書館へ見学に行きたいところですが,今回はタブレットを使って地域の図書館のホームページを開き,図書館について調べました。
「図書館の方が図書室よりもたくさん本が借りられるよ!」
「カードを使って本を借りるんだね。」
など,ホームページを見ただけでも,いろいろなことに気付きました。またで,
「CDやDVDも借りられるのはなんでだろう?」
「どうしてイベントをすることがあるのかな。」
など,図書館について知りたいことがどんどん膨らんでいきます。

 これからは,実際の図書館の写真を見ながら気付きをまとめたり,図書館司書の方にお話を聞いたりして,公共施設や公共物のよさや働きについて一緒に考えていく予定です。
 コロナ禍ではありますが,子どもたちが少しでも実際の様子を見たり,いろいろな方の話を聞いたりする機会を大切にしていきたいと思います。

生きもの なかよし 大さくせん
2021/07/27
 茹だるような暑さの中,今日も蝉が元気に鳴いています。
 夏休み,到来です! みなさまいかがお過ごしでしょうか。

 さて,夏休み前の2年生の生活科では,「生きもの なかよし 大さくせん」という学習を行いました。日頃から,生き物が大好きな子どもたちは大喜びで外へ出かけに行きました。あっという間にたくさんの虫かごが教室に並び,バッタやダンゴムシ,カニなど,様々な生き物のおうちが出来上がりです。

「バッタって,何を食べるんだろう?」
「どうやったら過ごしやすいおうちになるのかな?」
 観察をしながらお世話の工夫をしていきます。
 育てていく中では,
「朝,草をたくさん虫かごに入れたばかりなのに,もう食べられていたよ!」
「水を飲むと思って,ペットボトルキャップに水を入れて置いたよ。」
といった,様々な工夫を聞きました。生き物のおうちは日に日にレベルアップしていきました。

 また,今回はiPadを使った観察・振り返り・表現に挑戦しました。動く小さな生き物たちを写真に撮り拡大して観察するのは,新しい発見をしたり,別の仲間と比べたりするのに効果的でした。他にも,動きをよく捉えるためにスローモーションで動画を撮影し、「バッタが跳ぶ前は,後ろ足をグッとしているよ。」という発見をしている子もいました。さらに,生き物のかわいかったところや面白かったところを紹介するために,電子黒板で動画を見せながらの発表を行いました。実際の映像を一緒に見るため,発表者の面白いという気持ちをより密に共有することができました。

 しかし生活科では,実際に見る,さわる,匂いを嗅ぐ,絵を描く,文章に書く,直接会って話を聞くといった活動も,もちろんかけがえのないものだと思います。iPad「だからこそ」できる活用とは何なのかを考えながら,学習を仕組んでいきたいと思います。

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