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ごんぎつね
2018/10/17
 10月に教育実習生が「ごんぎつね」(三省堂4年)の学習をしました。

 授業の中盤に,実習生が,「気持ちでも行動でもない最後の一文は,必要か」と問うていました。
 子どもたちからは,「確かに!この一文からは,特に何も分からないから,なくてもいい」「そもそも普通,煙は白いよね」「確かに!青い煙なんて見たことないよね」「だったら,なんで『青い』と書いているの?」「青って悲しいイメージを表す色だからじゃないかな」「わざわざ『細く』と書いていることも,切なさに関係してそうだね」「そう考えると,前の文の『ばたり』だって,兵十の後悔の気持ちが強調されているね」などと,たくさんの価値あるつぶやきが聞こえてきました。

 言葉に着目して終わり方のよさをとらえることができた子どもたちに,成長を感じました。(田中)

夏の海
2018/09/21
 9月に「夏の海」という詩の学習をしました。

まず,「夏の海」という題名を隠しても,季節が夏だと分かる言葉があるかと聞きました。
 子どもは,「きみと遊びたがっている」「ざぶざぶりんという声」「波の形と光」「青いしまもよう」などの言葉に着目しました。

 次に,なぜその言葉から夏だと感じるのか尋ねました。
 子どもは,「自分も夏は海でたくさん遊んだから」「ざぶざぶりんが楽そうで,元気な声で呼んでいるように聞こえるから」「夏は暑い日が多くて,日の光で海が眩しかったから」「青はきれいで明るい感じがして夏っぽいから」など,言葉の使い方と夏のイメージを関連付けていました。

 そこで,「秋の海」という続きの詩があるとしたら,どのような詩になるかと問いました。
 子どもが考えた第一連を紹介します。

秋の海は
きみのことを待っている
きみのことを思いだしている
ことばではなく
ゆらゆらりんという声で
わずかな波と静かな空気で
オレンジ色のしまもようで

 作者の詩のきまりを生かしつつ,言葉の使い方を工夫して,秋の海の様子を見事に表現できました。(田中)

世界一美しいぼくの村
2018/07/16
 6月の研究大会で「世界一美しいぼくの村」(東京書籍4年下)の学習をしました。

 まず,結末にあたる最後の一文を読んで,どのようなことを感じるかを交流させました。子どもからは,「悲しい」「切ない」「くやしい」「びっくり」など,作品の感想が出ました。子どもは,隣のクラスの友達が読んでも,最後の一文は「心に残る一文ベスト1」になりそうだと考えていました。

 そこで,同じ戦争がテーマの「いわたくんちのおばあちゃん(三省堂4年)」の叙述を提示し,「戦争の悲惨さが詳しく書かれてあるから,心に残るというのなら分かる。でも,この物語の結末は,戦争のことは何も書かれておらず,シンプルすぎる」と揺さぶりました。そして,「たった一文なのに,心に残るのは,なぜか」という問いを本時のめあてとしました。

 ホワイトボードに貼られた教材文を基に,二人一組で書き込みながら話合いを深めていきました。子どもは,「ハルーン兄さんに早く帰って来てほしい。だから,白い子羊に『バハール(春)』という名前を付けた。なのに,その年の冬,戦争で破壊されたから,より悲しみが深くなる」「自然豊かな国で,夏が一番楽しい季節。そして,パグマンのさくらんぼは世界一。なのに,もう食べることができなくなったから,切なすぎる」など,複数の場面の叙述と叙述とを結び付けながら,結末部が心に残る理由を探っていきました。そして,「急に反対の出来事が起こることでびっくりする」「詳しく書かないことで,読み手に想像させる」「シンプルだからこそ深く伝わってくる」など,読後感と物語の「しかけ」を関連付けながら,対比の効果を捉えていきました。

 最後に,「結末部に着目して物語の魅力を伝えるには,どのようなキャッチフレーズがよいか」を授業のまとめとしました。子どもは,「美しい自然 その後どうなった・・・?」「パグマンも みんなの心も 破壊され」など,自分なりの言葉で作品の魅力を価値付けることができました。

 大学の先生からは,「意欲的にテクストを吟味していて,子どもたちが高まっていた」と,子どもの成長を価値付けていただきました。しかし,構造的な板書や話合いの仕方など,新たな課題もたくさん見つけることができました。今後の研究を通して,克服していきたいと思います。ありがとうございました。(田中)

選書会がありました
2018/05/11
 5月1日(火)に,選書会が行われました。子どもたちが本を自ら選ぶことで,本への興味・関心を高め,読書の推進と図書室の利用活性化につなげたいと考えています。

 前半は,子ども広場の横山さんによるブックトークが行われました。物語はもちろん,図鑑においても横山さんの手にかかれば,子どもたちは楽しい本の世界へと,あっという間に吸い込まれて行きました。

 後半は,一人3票もち,購入してほしい本に投票していきました。すぐ3票決めることができて,余った時間に読みたい本を読む子どもや,投票にじっくり時間をかけて色々な本を読む子どもなど様々ですが,どの子どもも目を輝かせながら本と向き合っていました。

 最終的に100冊以上の本の購入が決まりました。新しい本が図書室に入るのが楽しみですね。(田中)

どんな巣作りが大工事と言えるのかな?
2018/03/10
 2月に,説明的文章の「ビーバーの大工事」(東京書籍2年)の学習をしました。

 まず,筆者の考えに着目させるために,題名を隠した教材文を読み聞かせた後,「本文には,どのような題名が合うかな?」と問いました。子どもたちは,「ビーバーのダム作り」,「ビーバーの家作り」「ビーバーの生活」など,次々に自分たちの考えを述べました。そこで,本当の題名は「ビーバーの大工事」であることを伝えると,「え〜!」,「お〜!」,「あ〜!」など,大騒ぎになりました。筆者が考えた題名に納得できるか聞いた後,「どんな巣作りが大工事と言えるのかな?」と,単元を貫く課題を設定しました。

 その後の読み取りでは,大工事と言えるか判断するという目的を意識しながら,重要と考えられる語や文を文章の中から探っていくことで,擬音語や比喩から分かるビーバーのすごさ,具体的な数値から分かる仕事の大変さ,そして事柄の順序や因果関係から分かる工夫や知恵などを読み取ることができました。

 まとめの学習では,「ビーバーの巣作りは,『大工事』と感じたか」というテーマで,筆者に手紙を書きました。筆者の見方・考え方に対する自分の考えをしっかりともつことができました。また,発展学習として「『大工事図かん』に入れてもよい動物は,他にもいるかな?」と問い,動物の巣作りを説明した図鑑を読む活動を設定しました。学んだ見方・考え方を働かせながら,大工事と言えるかについて激論を交わす姿が見られて,1年間の成長を感じることができました。(田中)

あっという間に
2018/02/01
 あっという間に,2年生も残り2か月となりました。最近は,国語での学びを振り返るために,「この物語を面白くしている『仕掛け』は何か」というテーマで,今まで読んできた文学的文章について,自分の考えを書かせています。今回は「お手紙」について書いたものを紹介します。

@お手紙のおもしろいところ
 わたしは,お手紙をもらったことがないというところが「しかけ」だと思いました。ふつう,おたん生日とかにもらうから,もらった場めんからはじまると,ふつうすぎておもしろい話にならないからです。もらってないところからはじまると,ちょっとかわっていて,おもしろくなると思いました。その「しかけ」が入っていると,かんどうするシーンや楽しいシーンとかも,もっとおもしろくなるから,すごいと思いました。

Aかたつむりくんについて
 わたしは,かたつむりくんがとんぼにかわると,物語が台なしになると思います。理ゆうは,とんぼだと空をとべるので,お手紙をとどけるのがとても早いからです。この物語のおもしろさは,とどけるのがおそいかたつむりが,お手紙をとどけるところにあります。お手紙をまっている間に,かえるくんとがまくんがしあわせな気もちになれました。楽しみに長いことまったお手紙は,がまくんをとてもよろこばせたと思います。だから,かたつむりくんが手紙をとどけることがおもしろくする「しかけ」だと思います。

 物語の展開の仕方や登場人物の設定など,作者の表現の工夫を自分なりに意味付けています。子どもたちの作文から,成長を感じることができて,嬉しい限りです。(田中)

ニャーゴ
2017/11/22
 11月6日に後期公開授業研究会があり,「ニャーゴ」(東京書籍2年)の学習をしました。

 本時では,登場人物の人物像に着目し,子ねずみたちに対するたまの気持ちの変化を表現できることをねらいとしました。そのために,「人物像と言動を関連付けること」,「物語とその後の展開とのつながりを吟味すること」などの見方・考え方を働かせることを意識した授業を行いました。

 「もし続き話があるとすれば,たまは,子ねずみたちにまた会いに行くかな」という問いに,多くの子どもが,「『おじさあん,また行こうね。』と約束しているから」,「『ぼくのもあげるよ。』と優しくされたから」,「桃を大事そうにかかえているので嬉しかったから」,などの理由で行くと答えました。

 そこで,最後の場面を嬉しそうに元気いっぱいに音読すると,「『ううん。』は,そんなに元気じゃない!ため息だよ」,「最後のニャーゴも大きすぎ!『小さな声で』って書いてあるよ」と大騒ぎになりました。そして子どもたちは,「どうしてこんなことになってしまったんだと,とまどっているのかな」,「できるだけ怖い顔で叫んだ後に,『ありとう』と言うのは,はずかしいよね」などと話し始めました。

 「だとしたら,『たまのその後のストーリー』は,どのような話になるか」と問い,次の時間に続き話を書きました。次回子どもが考えた続き話を紹介します。(田中)

きつねのおきゃくさま
2017/10/30
 10月に教育実習生と「きつねのおきゃくさま」(三省堂)の学習をしました。

 まず,「明るさメーター」を用いて,この物語は,明るい話か,暗い話かという作品のイメージを表現させました。子どもたちは,「きつねが死んだことで,ひよこたちがとても悲しんでいるから,暗い話しだと思うよ。」「恥ずかしそうに笑って死んだのだから,暗い話とは言えないのではないかな」と話し始めました。

 作品に対するイメージのずれを確認した後,「なぜ,きつねは恥ずかしそうに笑ったのかな」と問うと,「ひよこたちを守ることができて嬉しかったので,笑っている」「ひよこたちをだまして食べようとしていたのに,その動物を守っている自分がちょっと恥ずかしい」など,きつねの変容を語りました。

 そこで,「きつねが死んだ場面で,きつねが変わったことが分かるのなら,その後のお話は必要ないのではないかな」と揺さぶりました。子どもたちは,「お墓を作る場面は,きつねのことを思っているひよこたちの様子が書かれているよ」「きつねの思いが伝わったことが書かれてあるから大事だよ」「この場面がないと,ただ悲しいだけのお話になっちゃうよ」などと,結末のよさに気付いていきました。

 最後に,「お墓の場面はいるとしても,『とっぴんぱらりのぷう』はいらないのではないかな」と問うと,「これがないと終われないよ」「昔話でいう,『めでたし,めでたし』みたいな意味だよ」「明るい感じで「チャン,チャン」と終わせたいのではないかな」などが出ました

 子どもたちは,実習生たちと共に,この作品の面白さを味わうことができたように思います。(田中)


前期授業研究大会
2017/07/25
 6月29日に,前期公開授業研究大会がありました。
 2年生は,「たねのたび」で授業を行いました。本時における深い学びのポイントは,「説明の順序とその表現の効果をとらえること」でした。
 「種を運ぶのに,どの工夫が一番大事かな」という発問をきっかけに,子どもたちは「3つの工夫を比べて読む」という「読みの視点」を活用して内容の大体を捉えていきました。そして,話し合いが「もし,この工夫がなかったら・・・?」と進んでいくと,「種を運ぶために,どの工夫もつながっていている」という、それぞれが補い合っている関係性を押さえることができました。
 そこで,「どの工夫も大事だということを紹介したいのに,『でも,・・・できません。』の文を加えたのはなぜだろう」と投げかけました。今度は,「でも」の説明がある文章とない文章を比べる「読みの視点」で読むことで,文章の構成を捉えていきました。
 そして子どもたちは,「理由を書くことができる」「特徴のよさを分かりやすくなる」など,接続語を使った説明のよさに気づいていきました。(田中)

表現の工夫を生かして詩をつくろう
2017/05/20
 詩の学習が終わり,子どもがつくった作品です。


 にじに のったら  にじに のったら
 はしを あるいて いくみたい
 見えた 見えた
 空に うかぶ 天の川も
 とおくに ある 月も


 さかなに のったら さかなに のったら
 もぐったまま フグになっていくみたい
 見えた 見えた
 いわの中で ねている タコも
 しおを はいている クジラも


 繰り返し,言葉の順序(倒置法),見えるものの面白さなど,見つけた工夫を生かして,自分の思いを表現していました。
 想像を膨らませながら読んだり書いたりすることで,
詩の世界を楽しく体験することができました。

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