道徳科トピックス 久保田高嶺
せかいのなかまと 石川佳純
2019/01/15
明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い致します。
今年度最初の道徳は,山口県出身である石川佳純さんが登場する授業でした。主に扱う内容項目は,「国際理解,国際親善」です。教材には,中国の選手と仲よくなったり,教えを受けたりして,練習に励む石川佳純さんの様子が描かれています。
子どもに「石川佳純さん知ってる?」と顔の写真を提示しながら尋ねると,「やまぎんのCMの人!」と答える子どもが多数で「卓球選手!」と答える子は小数でした。競技中の動画を流すと,「顔が怖くなった」「球がすごい早い」と,プレーのすごさに圧倒されていました。そこで,
「どうして,石川佳純さんは,こんなに卓球ができるのかな」と問うと,「練習をたくさんしたから」と努力に注目した意見がほとんどでした。
そこで,教材で,世界の選手と食事中に触れ合ったり,練習に励んでいる石川佳純さんの生き方を知ると,世界の人と触れ合いによる自分の成長に目を向ける子どもが見られました。授業の中では,「ご飯を食べるだけで卓球が上手にるの?日本の人ではない人と,仲よくすることのよさって何?」と問い返したりしました。
本時の授業では,国際理解,国際親善を主に扱いましたが,自分の努力の仕方についても,多面的・多角的に考えを深められたのではないかと思います。

道徳研究発表大会を終えて
2018/12/06
先日,中学校の道徳研究発表大会に小学校の授業者として参加させていただきました。
300名近い参会者に授業を参観していただきました。小学校のHPに授業風景の画像が載せられており,改めて光栄な機会をいただいたのだなと実感しています。
子どもは大勢の参会者の方に物怖じすることなく,堂々と自分の意見を発表することができました。本当に素晴らしい姿でした。
私自身は大舞台での授業を通して,今早速,新たな授業づくりに取り組んでいる最中です。週1回の授業がとても楽しみになっています。次は,1月31日に授業公開の予定ですので,ぜひ足を運んでいただき,子どもの姿,道徳の授業づくりのたたき台にしていただけたらと思っております。今後ともよろしくお願い致します。

森の友達
2018/11/08
2年生の教材,森の友達の実践についてです。最近は,大変ありがたいことに,校外で授業を参観させていただいたり,授業をさせていただく機会が増えてきました。なるべく,同じ教材を自分でも実践してみて,先生方の授業から学ばせていただくようにしています。
本教材は内容項目【友情,信頼】に関わるものです。
あらすじは,いつも友達に乱暴していたきつねが,おおかみに襲われた際,友達が助けに来てくれます。きつねは難を逃れ,その場から逃げ去ることができたのですが,うさぎはおおかみに捕まったままです。おおかみは最後,涙を流してお話が終わります。
涙のわけを話し合わせたり,「友達は逃げてほしいから助けたまでで,何か見返りを求めていたのか」と問い返したりすることで,「優しくしてもらったら,何か返したくなる」気持ちについて理解を深められるようにしました。子どもは教材に重ねて,自分の経験を語っていました。
しかしながら,大失敗。本時は,友達との関係の中で,助け合いを捉えられるようにする授業だったのですが,家族との関係に目を向けていた子どもがいました。そういえば,家族の話を子どもがしたときに,「なるほどー。お家の人にも助けてもらったから助けてあげたいっていう気持ちをもったのだね。」と価値付けをしたな,と思い出しました。教師の指導観が振る舞いに現れるのだなと痛感した次第です。さらに研修を深めたいと思います。

後期教育実習が終わりました!
2018/10/16
今回は4人の先生をお迎えしての教育実習でした。
いろいろな工夫を凝らした授業を準備してくださったおかげで,毎時間の授業がとても楽しみだったようです。
11月30日には,道徳授業の発表を控えています。それに向けてというわけではないですが,教生先生と学んだことを生かして,さらに子どもと共に成長していきたいものです。

きらきらみずき(学研教育みらい)
2018/09/13
先日,内容項目【個性の伸長】の関わる授業を行いました。教材のあらすじは,友達のよいところはたくさん見つかるが,自分のよいところがなかなか見つからないみずきが,人との関わりの中で,自分のよさに気付いていくという話です。
導入では,教材のタイトルを提示し,「きらきらした人とはどのような人か。」と問いました。子どもは,「思いやりのある人」「がんばる人」,中には「お金持ちの人」と,言葉の響きから多様な人を思い浮かべていました。そこで,「みんなはきらきらした人か」と問い,挙手を求めると,挙手が少なかったため,理由を尋ねました。子どもは,「自分のきらきらはわからない,人のは見つかるけれど・・・」と自分のよさに目を向ける機会の少なさに関わる発言が見られました。
展開では,教材を範読し,先生や友達がみずきのよさを見つけていることを確認しました。すると,「ぼくもきらきら見付けてほしい!」と,子どもからの発言があったため,道徳ノートに友達のよいところ(きらきら)をたくさん書く活動を設定しました。
終末では,友達の考えを基に,自分のきらきらをノートに整理する活動を設定しました。ノートの様子を見ると,「笑顔きらきら」「字や絵が上手きらきら」「病気でも元気きらきら」などがありました。
子どもたちが友達によいところをたくさん書いてもらったノートを,うれしそうに眺めている様子が印象的でした。中には,「道徳が一番楽しみになった!」と発言している子どももいました。それほどうれしかったのでしょう。
人から認めてもらえる,受け入れてもらえるということは,とても幸せなことであり,学級づくりや自分自身の人との関わりの中でも大切にしたいなと思いました。

しぜんのいのち(学研教育みらい)
2018/05/30
【内容項目 自然愛護】に関わる授業を行いました。「しぜんのいのち」という詩を扱った教材です。様々な命の様子が描かれています。詩なので,登場人物の変容や葛藤などがある訳ではなく,何について考えを深めさせるのかというところに悩みました。
そこで,学習指導要領解説編に立ち返り,
「指導に当たっては,(省略)自然に親しみ動植物に優しく接しようとする心情を育てることが求められる。自然や動植物のもつ不思議さ,生命の力,そして,共に生きていることのいとおしさなどを自然や動植物と触れ合うことを通して実際に感じることによって,自然や動植物を大事に守り育てようとする気持ちが強く育まれる。」
とあったので,人間以外の生き物にも生命があり,大切にしようとする気持ちについて考えを深めさせられたらと思いました。
そこで,「小さくても いのち」の「小さく」を隠して提示し,簡単にあてっこゲームをしました。「小さく」を隠すことで,他の生き物の命について焦点化させるためです。そして,教材を読んだ後,感想を尋ねました。
すると,子どもは,「小さくても大きくても命がある」「小さい命も大事な命」とあらゆる生物における生命の存在や命の重さに関わるを発言しました。
そこで,「人間のような大きな命のほうが大事なのではないか」と投げかけました。他の生物の命の尊さについて理解を深めさせるためです。子どもは,普段生き物を粗末にしたことを認めながら,あまりよいことではなかった,小さな命にも自分たちと同じ命があるからという話になりました。
おもしろかったのが,ある男の子が「虫かごに虫を捕まえることはいいことなのかな」と友達に投げかけてくれたことです。虫かごは地獄だという発言や世話をきちんとするならよいなど,善悪について討論になりました。収拾がつかなくなったところで,「いろいろな意見が出たけれど,似ているところはないか」と問うたら,虫のことを考えているという共通点が出てきました。授業は,他の命のこともこうやって一生懸命考えられるとよいかもしれないねと言って閉じました。
ねらいの設定と教材への一工夫によって,難しいと感じた教材でも,授業をすることができたのではないかと思います。

今日の出来事を一つ。体育の時間にフナムシ(お世辞にも見た目がよいとは言えない…)が子どもの足元を這っていたところ。最初は大騒ぎをして,足で追い払おうとしていた子どもたちですが,ある女の子が一言。「フナムシにだって命があるんよ!道徳でやったじゃろ!!」
私の「やめなさーい!」の大声より,その子の声が届いたのか,子どもたちは払うのを止め,整列中はフナムシの動きを注意深く目で追っていました。子どもの優しい心が見えた瞬間で,ほほえましかったです。

きれいな羽(学研教育みらい)
2018/05/01
内容項目B(10友情,信頼に関わる授業を行いました。
教材は,きれいな羽を持ったくじゃくが,転入するところから始まります。友達が欲しいくじゃくは,その羽を自慢してしまい,周りから嫌われ,独りぼっちになってしまいます。しかし,みんなのために自分ができることに努めることで,友達が増え,学校生活が楽しく感じられるようになるという話です。
今回の教材では,くじゃくだけでなく,自慢を聞いて独りぼっちにさせた周囲の気持ちについても類推させ,つい悪口を言ってしまったり,のけ者をつくってしまいたくなってしまったりする,人間の弱さについての理解も深めさせたいなと思いました。
そこで,自慢しているくじゃくの気持ちについて類推させた後,その周囲にいた,くまやりすたちの気持ちを問いました。すると,「きれいだな,うらやましいな」と,自慢を聞いた周囲の気持ちに,共感的な理解がうまくできていない様子でした。
その様子を受けて,教師がくじゃく役をし,くじゃくの自慢を聞いた後の会話を,即興的に演技させました。すると,「なんなんよ。自慢ばっかりじゃん。」「別にくじゃくの羽なんかいらんし。」と子どもから自然と会話が生まれ,見ている子どもからは,「そういうことか!自慢を聞いて嫌なんだ。」という声も聞こえました。
しかし,この悪口を言う演技だけで終わってしまうと,その行為を認めてしまうことに繋がる恐れもあるため,「今のような話をしているくまさんたちについて,どう思うか」と問うたら,「悪口を言うのはよくない」「でも,言ってしまいたくなる気持ちもわかる」と子どもたちなりに判断して理由を述べていました。
低学年の子どもは,二つの人物の気持ちを客観的に考えることは,発達段階として,難しさがあるのは事実だと思います。しかし,今回用いた役割演技など,具体的に考えられるような手立てを講じることによって,価値の理解をより深められるのではないかと思います。
これからさらに実践を積んで参りたいと思います。

子どもが巣立っていきました
2018/03/22
3月17日,6年生がこの附属光小学校を巣立っていきました。6−2の子どもたちは,とにかく考える,とにかく語る,とても素敵な子どもたちでした。私にとっては,道徳の授業の楽しさをより実感できた1年になりました。出会いに感謝です。
今年学ばせてもらったことを,よりパワーアップさせて,また次に出会う子どもたちと,心について,一生懸命考えていきたいです。ありがとうございました。

天女,再び宇宙へ(向井千秋)
2018/02/22
私の年代以上の方は,向井千秋さんと聞くと,宇宙飛行士の彼女の姿を思い浮かべるのではないでしょうか。今回は,日本人初の女性宇宙飛行士,向井千秋さんの教材を用いた授業の紹介をします。内容項目は,個性の伸長です。
子どもに「向井千秋さんを知っている人」と問うと,まさかの挙手が0人でした。ジェネレーションギャップを感じながら,読み聞かせをし,彼女の生き方の感想を問いました。「医者を辞めてまで,宇宙飛行士を志したことがすごい」「宇宙の実験で追究する姿勢が憧れる」との発言が出たので,「どうしてそのような行動がとれたのかな」と問いました。すると,「強い憧れ」があったこと,「好奇心」や「継続は力なり(努力の大切さ)」など,人物の生き方から,道徳的価値を多面的・多角的につかんでいきました。
今回は個性の伸長をねらった授業だったので,「私は自分のよさは見付けられないけれど,向井さんは自分のよさを見付けて夢をつかんだから,私も見習いたい」という発言を中心に進めていくようにしました。子どもに「自分のよさを知っている人」と問うと,予想通り,挙手はほとんどありません。そこで,「どうしたら自分のよさが見付けられる?」と問いました。「後悔のない,自分にまっすぐ生きる経験を積むことで,自分に武器ができる」「第三者の目,客観的に自分の姿を見てみることで,自分の強さや弱さがわかる」「人に聞いてみる」など様々な方法が挙がり,どの子どもにもそれぞれ主張がありました。
そこで,「今の自分に取り入れたい生き方はどれですか」と振り返りをさせ,授業を終えました。
個性を伸ばすことは,自分のよさを見付けることももちろんですが,自分の弱さとも向き合うという子どもの発言に驚かされました。そのように自分のことを広く受け止められたら,素敵な人生になるだろうなと感じました。

「特別の教科 道徳」学びの会in附属山口・光
2018/01/16
日時 平成30年1月28日(日) 13:30〜16:30
会場 山口大学附属山口小学校中講堂
   (駐車場 山口小学校中講堂)
にて,山口大学教育学部の附属小中学校が合同で勉強会を開催いたします。詳しくは,山口小学校のHPに案内を記載していただいておりますので,ご覧いただき,多くの方の参加をお待ちしております。
以上,簡単な宣伝でした。

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