きらきらみずき(学研教育みらい)
2018/09/13
先日,内容項目【個性の伸長】の関わる授業を行いました。教材のあらすじは,友達のよいところはたくさん見つかるが,自分のよいところがなかなか見つからないみずきが,人との関わりの中で,自分のよさに気付いていくという話です。
導入では,教材のタイトルを提示し,「きらきらした人とはどのような人か。」と問いました。子どもは,「思いやりのある人」「がんばる人」,中には「お金持ちの人」と,言葉の響きから多様な人を思い浮かべていました。そこで,「みんなはきらきらした人か」と問い,挙手を求めると,挙手が少なかったため,理由を尋ねました。子どもは,「自分のきらきらはわからない,人のは見つかるけれど・・・」と自分のよさに目を向ける機会の少なさに関わる発言が見られました。
展開では,教材を範読し,先生や友達がみずきのよさを見つけていることを確認しました。すると,「ぼくもきらきら見付けてほしい!」と,子どもからの発言があったため,道徳ノートに友達のよいところ(きらきら)をたくさん書く活動を設定しました。
終末では,友達の考えを基に,自分のきらきらをノートに整理する活動を設定しました。ノートの様子を見ると,「笑顔きらきら」「字や絵が上手きらきら」「病気でも元気きらきら」などがありました。
子どもたちが友達によいところをたくさん書いてもらったノートを,うれしそうに眺めている様子が印象的でした。中には,「道徳が一番楽しみになった!」と発言している子どももいました。それほどうれしかったのでしょう。
人から認めてもらえる,受け入れてもらえるということは,とても幸せなことであり,学級づくりや自分自身の人との関わりの中でも大切にしたいなと思いました。

しぜんのいのち(学研教育みらい)
2018/05/30
【内容項目 自然愛護】に関わる授業を行いました。「しぜんのいのち」という詩を扱った教材です。様々な命の様子が描かれています。詩なので,登場人物の変容や葛藤などがある訳ではなく,何について考えを深めさせるのかというところに悩みました。
そこで,学習指導要領解説編に立ち返り,
「指導に当たっては,(省略)自然に親しみ動植物に優しく接しようとする心情を育てることが求められる。自然や動植物のもつ不思議さ,生命の力,そして,共に生きていることのいとおしさなどを自然や動植物と触れ合うことを通して実際に感じることによって,自然や動植物を大事に守り育てようとする気持ちが強く育まれる。」
とあったので,人間以外の生き物にも生命があり,大切にしようとする気持ちについて考えを深めさせられたらと思いました。
そこで,「小さくても いのち」の「小さく」を隠して提示し,簡単にあてっこゲームをしました。「小さく」を隠すことで,他の生き物の命について焦点化させるためです。そして,教材を読んだ後,感想を尋ねました。
すると,子どもは,「小さくても大きくても命がある」「小さい命も大事な命」とあらゆる生物における生命の存在や命の重さに関わるを発言しました。
そこで,「人間のような大きな命のほうが大事なのではないか」と投げかけました。他の生物の命の尊さについて理解を深めさせるためです。子どもは,普段生き物を粗末にしたことを認めながら,あまりよいことではなかった,小さな命にも自分たちと同じ命があるからという話になりました。
おもしろかったのが,ある男の子が「虫かごに虫を捕まえることはいいことなのかな」と友達に投げかけてくれたことです。虫かごは地獄だという発言や世話をきちんとするならよいなど,善悪について討論になりました。収拾がつかなくなったところで,「いろいろな意見が出たけれど,似ているところはないか」と問うたら,虫のことを考えているという共通点が出てきました。授業は,他の命のこともこうやって一生懸命考えられるとよいかもしれないねと言って閉じました。
ねらいの設定と教材への一工夫によって,難しいと感じた教材でも,授業をすることができたのではないかと思います。

今日の出来事を一つ。体育の時間にフナムシ(お世辞にも見た目がよいとは言えない…)が子どもの足元を這っていたところ。最初は大騒ぎをして,足で追い払おうとしていた子どもたちですが,ある女の子が一言。「フナムシにだって命があるんよ!道徳でやったじゃろ!!」
私の「やめなさーい!」の大声より,その子の声が届いたのか,子どもたちは払うのを止め,整列中はフナムシの動きを注意深く目で追っていました。子どもの優しい心が見えた瞬間で,ほほえましかったです。

きれいな羽(学研教育みらい)
2018/05/01
内容項目B(10友情,信頼に関わる授業を行いました。
教材は,きれいな羽を持ったくじゃくが,転入するところから始まります。友達が欲しいくじゃくは,その羽を自慢してしまい,周りから嫌われ,独りぼっちになってしまいます。しかし,みんなのために自分ができることに努めることで,友達が増え,学校生活が楽しく感じられるようになるという話です。
今回の教材では,くじゃくだけでなく,自慢を聞いて独りぼっちにさせた周囲の気持ちについても類推させ,つい悪口を言ってしまったり,のけ者をつくってしまいたくなってしまったりする,人間の弱さについての理解も深めさせたいなと思いました。
そこで,自慢しているくじゃくの気持ちについて類推させた後,その周囲にいた,くまやりすたちの気持ちを問いました。すると,「きれいだな,うらやましいな」と,自慢を聞いた周囲の気持ちに,共感的な理解がうまくできていない様子でした。
その様子を受けて,教師がくじゃく役をし,くじゃくの自慢を聞いた後の会話を,即興的に演技させました。すると,「なんなんよ。自慢ばっかりじゃん。」「別にくじゃくの羽なんかいらんし。」と子どもから自然と会話が生まれ,見ている子どもからは,「そういうことか!自慢を聞いて嫌なんだ。」という声も聞こえました。
しかし,この悪口を言う演技だけで終わってしまうと,その行為を認めてしまうことに繋がる恐れもあるため,「今のような話をしているくまさんたちについて,どう思うか」と問うたら,「悪口を言うのはよくない」「でも,言ってしまいたくなる気持ちもわかる」と子どもたちなりに判断して理由を述べていました。
低学年の子どもは,二つの人物の気持ちを客観的に考えることは,発達段階として,難しさがあるのは事実だと思います。しかし,今回用いた役割演技など,具体的に考えられるような手立てを講じることによって,価値の理解をより深められるのではないかと思います。
これからさらに実践を積んで参りたいと思います。

子どもが巣立っていきました
2018/03/22
3月17日,6年生がこの附属光小学校を巣立っていきました。6−2の子どもたちは,とにかく考える,とにかく語る,とても素敵な子どもたちでした。私にとっては,道徳の授業の楽しさをより実感できた1年になりました。出会いに感謝です。
今年学ばせてもらったことを,よりパワーアップさせて,また次に出会う子どもたちと,心について,一生懸命考えていきたいです。ありがとうございました。

天女,再び宇宙へ(向井千秋)
2018/02/22
私の年代以上の方は,向井千秋さんと聞くと,宇宙飛行士の彼女の姿を思い浮かべるのではないでしょうか。今回は,日本人初の女性宇宙飛行士,向井千秋さんの教材を用いた授業の紹介をします。内容項目は,個性の伸長です。
子どもに「向井千秋さんを知っている人」と問うと,まさかの挙手が0人でした。ジェネレーションギャップを感じながら,読み聞かせをし,彼女の生き方の感想を問いました。「医者を辞めてまで,宇宙飛行士を志したことがすごい」「宇宙の実験で追究する姿勢が憧れる」との発言が出たので,「どうしてそのような行動がとれたのかな」と問いました。すると,「強い憧れ」があったこと,「好奇心」や「継続は力なり(努力の大切さ)」など,人物の生き方から,道徳的価値を多面的・多角的につかんでいきました。
今回は個性の伸長をねらった授業だったので,「私は自分のよさは見付けられないけれど,向井さんは自分のよさを見付けて夢をつかんだから,私も見習いたい」という発言を中心に進めていくようにしました。子どもに「自分のよさを知っている人」と問うと,予想通り,挙手はほとんどありません。そこで,「どうしたら自分のよさが見付けられる?」と問いました。「後悔のない,自分にまっすぐ生きる経験を積むことで,自分に武器ができる」「第三者の目,客観的に自分の姿を見てみることで,自分の強さや弱さがわかる」「人に聞いてみる」など様々な方法が挙がり,どの子どもにもそれぞれ主張がありました。
そこで,「今の自分に取り入れたい生き方はどれですか」と振り返りをさせ,授業を終えました。
個性を伸ばすことは,自分のよさを見付けることももちろんですが,自分の弱さとも向き合うという子どもの発言に驚かされました。そのように自分のことを広く受け止められたら,素敵な人生になるだろうなと感じました。

「特別の教科 道徳」学びの会in附属山口・光
2018/01/16
日時 平成30年1月28日(日) 13:30〜16:30
会場 山口大学附属山口小学校中講堂
   (駐車場 山口小学校中講堂)
にて,山口大学教育学部の附属小中学校が合同で勉強会を開催いたします。詳しくは,山口小学校のHPに案内を記載していただいておりますので,ご覧いただき,多くの方の参加をお待ちしております。
以上,簡単な宣伝でした。

橋をかける
2017/12/15
道徳の教材には,有名な童話を使ったものや伝記など様々な題材があります。今回授業をした「橋をかける」は皇后陛下美智子様の講演を本にした一部を教材化したものでした。普段,教材の作者を意識することはほとんどないのですが,心に語り掛けるような素敵な文章であったため,たまたま作者に目を向けたところ気付いた次第です。
内容としては,美智子様が子どもの頃に読まれた「でんでん虫のかなしみ」というお話とのエピソードを中心に,読書と出合ったことで,喜びや悲しみに思いをめぐらせ,自分の世界を広げる助けとなったことが述べられています。特に私が心に残ったのは,美智子様が「本の中で人生の悲しみを知ることは,自分の人生にいくばくかの厚みを加え,他者への思いを深めますが,……」とおっしゃっておられることについてでした。
私は(おそらく人は?),悲しみや不安などのネガティブな感情を忌み嫌います。ですが,この教材に触れて,悲しみを避けるのではなく,悲しみとしっかり向き合うことで,自分の生き方に何かしらプラスの影響があるのではないかと考えました。ですが,そのような生き方はとても難しいことです。そのようなことを子どもと共に語り合いながら,学んでいきたいなと思いました。
導入では,日常生活の嬉しい気持ちになった場面や暗い気持ちになった場面などを想起させ,どのようなときでも前向きに生きたいと思う気持ちを全体で共有しました。
展開では,教材に書かれている「悲しみ」に焦点を当て,再度日常生活を見つめさせました。教材を読み聞かせた後だったため,導入とは異なり,人の死や孤独などに関わる,より重い悲しみが出されました。「今言った友達の気持ちわかる人いる?」とつなげていくと,自分と親しい人が亡くなった経験を語る子やそのことを頷いて聞いている子どもの姿が見られました。そこで,「みんなこんなに悲しい思いになるのなら,悲しみや不安なんて感じなければいいのにね。」と投げかけました。すると,「悲しいことは嫌だけれど,大切だ。」と子どもが言いました。どういうことかと問うと,「悲しみを感じるから,喜びがある。だから,悲しみにも意味があると思って,大切にしていくとよいかもしれない。」「悲しみを感じるからこそ,一日一日に価値が生まれてくる。だから一日一日に感謝していきたい。」とこれからの生き方についての発言が出てきたため,終末でノートに考えを整理させ考えを交流させました。

高学年ともなると,生きることの難しさに直面している子どもも多いことでしょう。だからこそ,しっかりとその自己と向き合うことで,自分の心が耕され,よりよい生き方を見出せていくのだと改めて感じました。また,私自身は,美智子様の生き方から,読書の価値についても改めて考える機会となりました。余談ですが,授業をしたその日,授業の影響もあって,自宅の本棚に飾っている本を手に取ってみたのですが,恥ずかしながら,その日以来,進んでおりません。(大切なのはわかっているけれど,実際に行動に移すのは難しい,人の心でしょうか)

H29年度全国大会in山口
2017/11/13
11月9日・10日に全国小学校道徳教育研究大会が山口県周南市で開催されました。
今回私は,運営に携わらせていただき,地元や他県の先生方と道徳についてお話しする時間をもつことができ,とても実りのある時間を過ごすことができました。また,各学校とも,新学習指導要領を基に,教科化を踏まえた,様々な実践がされており,大変刺激になりました。
浅見調査官の講演の中で,「道徳的判断力,心情,実践意欲と態度を育てるという道徳科の目標を外さない=ストライクゾーンは外さない」というお言葉が印象的でした。道徳科の本質を外さずに,多様な方法で子どもと一緒に心を育てる時間をつくれたらと思います。
今後の自分の研究に生かしていきたいものです。

後期教育実習が終了しました
2017/10/13
H29年度後期教育実習が終了しました。
今回は,4名の教育実習生が6−2に配属となりました。
3週間という短い期間でしたが,教生先生も子どもも小学校生活最後の教育実習を充実して過ごせたようです。自分たちと年齢が近いお兄さん,お姉さんの姿から,自分が大人になったときの姿を思い浮かべている子どもも多くいました。
今回の実習を通して,子どもたちはさらに成長したことと思います。一つ一つの出会いを通して,さらに豊かに成長していってほしいと思います。

古きよき心
2017/09/12
夏休みが明け,学校生活がスタートしました。
運動会に向けて練習に励んでいる最中です。そのような中でも,たったの週1回しかない道徳の時間を大切にしていきたいと思います。
今回は内容項目【C-17伝統と文化の尊重,国や郷土を愛する態度】にかかわる授業でした。子どもに日本や日本人のイメージを問うと,きれい好きやおもてなしの心をもっているプラスの意見があれば,控えめや体が小さく弱いといったマイナスの意見も出されました。
扱った教材には,小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)やアメリカの動物学者のモースなどが著書の中で説いた,日本人のすばらしさが掲載されています。子どもにとっては親しみ辛い硬い文章ですが,昔から日本人が大切にしている感じ方や外国人から見た日本や日本人のよさについて知ることができます。
今回の教材では,日本人の「古きよき心」を子どもが知り,改めて自分の生活を見つめ直したり,よりよく生きようとしたりすることができればよいのではないかと思いました。
ですので,教材から日本人の「古きよき心」をたくさん挙げさせ,なぜそう考えたのか,共通する心はないかなどを問い返しました。そうすると,6−2の授業では,思いやりの心が日本人の「古きよき心」としては1番大きいのではないかという結論にいたりました。
子どもたちに言わすと,自然を大切にしたり,おもてなしをしたり,他人を助けようとしたり,礼儀正しくしようとしたりするなど,そういった心のもとは,自然や相手の気持ちになって考える思いやりの気持ちに行きつくのではないかということです。
なので,外国人の方にも思いやりの心はないのですか,と問いました。
すると,もちろん外国人の方にも,その心はあるけれど,それが一部の人ではなく,多くの人に備わっていて,思いやることが当たり前のように生活しているから,小泉八雲たちは感動したのではないかということでした。
答えがあるような問いではないので,考えることが無意味だと思えるかもしれませんが,このような答えのない問いに対して考え続ける姿勢というのも,道徳科で大切にしていきたいものなのかなとも感じました。
夏休みが明け,これからも道徳の授業の在り方や,子どもと一緒によりよい生き方を考えていけたらと思います。

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