算数科トピックス 伊藤悠樹
5年生 割合の学習 その2
2019/01/11
新年が明けてからの算数の学習では,百分率の話から始めました。
「東北新幹線 乗車率170%」
年末に見た新聞記事の意味を考えることを通して,子どもたちは割合と百分率の関係を捉えていくことができました。
割合はくらべる量÷もとにする量で求めることができます。そこで表された割合を百分率で表すには,出てきた答えを×100する必要があります。しかしながら,百分率を割合に表すことは,(公式に当てはめようと思えばそうしなければならないのですが,公式を使わなくてもくらべる量を求めることは可能であることを考えると)子どもたちにとって必要感を感じない場面です。そこで,「(チョコバナナをイメージして)チョコの割合を求めよう」という所から,「これと同じ割合で10cmのバナナにチョコを塗るには,何cm塗らないといけないか」を考えさせました。
@6cmのうち,チョコ3cm
・チョコの割合は50%つまり半分なので,10cmの半分で5cm。
・もとの量が100cmだとすると,チョコの割合は50%なのだから,50cm。もとの量は10cmで100cmの1/10だから,チョコの量も1/10で5cm。
A5cmのうち,チョコ2.2cm
もとの量が2倍になっているので,チョコの量も2倍。2.2×2=4.4で4.4cm。
B8cmのうち,チョコ3.6cm
この場面に出会った時に,子どもたちは様々に思考を巡らせていました。もとの量とチョコの量は比例関係にあることから答えを求めた子もいました。様々な意見が出る中で,「百分率を割合にして,もとの量をかけたらくらべる量が出る」ことは,どの場合でも使えることを導き出すことができました。

百分率や歩合は,もとの量を100や10と考えた時の割合の表し方です。そのことを活用すると,割合・くらべる量・もとにする量の求め方が様々にあることを子どもと共に学ぶことができました。

5年生 割合の導入
2018/12/21
割合の学習は冬休み明けに始まりますが,1月にある公開研究会の関係で,冬休み前に導入(2時間分)の授業だけ行うことにしました。

題材は教科書のシュートの上手さです。
まずは,「シュートが上手いチーム(人)とは?」と問いました。
「たくさんシュートが入る方がうまいよ」
「でも,シュートを打つ回数が多い方が,シュートが入る数が多いはずだから,一概には言えないのではないかな」
「シュートを打った数と,シュートの入った数の関係を調べないといけないね。」
単位量あたりの学習のときと同じように,「上手さ」を具体的にイメージさせることで,2つの数量とその関係に自分達で目を向けることができました。
次に,打った回数も入った回数も違う2つのチームのシュートの上手さを比較しました。
・打った回数を公倍数で揃える
・差を見ると,外した数がわかる
・投げた回数のうちの,入った数の確率を分数で表す
・単位量の考え方を使って,1回投げた時に入る数を比較する
・単位量の考え方を使って,1回入るのに投げる数で比較する

子どもたちは今までの学習をフル活用し,二重数直線図や立式の仕方を生かしながら,シュートの上手さを比べ,割合の考え方を捉えていくことができました。
5年生の「割合」は,イメージをもつことが難しい単元で,一番の壁となる単元であると言われています。しかし,それまでの単元(小数のかけ算・わり算・比例・平均・単位量あたりなど)の学習を充実させておくことで,クリアできると思っています。公式を覚え当てはめていく割合の学習から,豊かなイメージをもって捉えていく割合の学習へ…冬休み明けもチャレンジを続けていきたいと思います。

4年生 資料の整理
2018/12/15
「附属光小学校で,一番人気の遊びは何だろう」
この疑問を基に,この単元がスタートしました。
子どもたちは,予想しながらも,実際の結果がわからないことから,まずは4年1組で調査し,その上位のものを選択肢に入れるとよいのではないかと考えました。
しかし,4年1組では1票だったドッジボールを,全校で聞く時には選択肢に入れるとよいというのです。子どもたちは,全校の遊んでいる休み時間の様子から,ドッジボールの人気は高いのではないかと考えました。

さて,実際に街頭(?)アンケートをとってみると…
・4年1組で1位だったアスレチックは,153人中3人しかいなかったこと
・ドッジボールやサッカー,おにごっこなど,多くの人数でできる遊びが人気であること
・1年生は他の学年に比べ,うんていやアスレチック,ぶらんこなど1人でもできる遊びが好きであること
・2年生にサッカーが人気なのは,担任の先生の影響があるのではないか

など,様々な分析結果が出てきました。
どれが一番人気かを問い,学年別の表にまとめていくことで,多くのことを知ることができました。また,「男女別に調べてみたらどうか」「クラスごとでも傾向が出るのではないか」など,さらに調べていきたいことを見出す子もいました。

どのコーヒーが甘いかな?(5年生単位量あたりの導入)
2018/11/29
5年生の「単位量あたり」の学習では,1あたりの量に着目することで,多くのものを比べることができるよさを味わうことが大切となってきます。多くの教科書会社では,「こみぐあい」を単元の導入の教材として扱い,1人あたりの広さや,1平方メートルあたりの人数で比べることを子どもに仕向けています。私も何度か5年生で「単位量あたり」の授業をしましたが,子どもたちにとって「こみぐあい」はイメージしにくく,出てきた数値もよくわからない…という印象がありました。そこで,今回は「甘さ」を教材として用い,単位量あたりの学習の導入にチャレンジすることにしました。

まず,私と担任のS先生が,同じ量が入っているコーヒーの中に砂糖を入れます。私は1本,S先生は2本入れたので,S先生のコーヒーの方が甘いです。
次に,S先生と隣のクラスのH先生が,砂糖を2本持ってコーヒーの中に入れます。入れ物が大きいH先生よりも,入れ物が小さいS先生の方が,コーヒーは甘くなることを,生活経験やコーヒーの「苦み」に着目して捉えることができました。
そして,「甘党のS先生にコンビニでコーヒーを買ってきてあげようと思うんだけど,3つのコーヒーの量と砂糖の量がばらばらだったんだよね。」と言って,3つのコーヒーを提示しました。
Aコーヒー100mL 砂糖スティック0.8本
Bコーヒー350mL 砂糖スティック3.5本
Cコーヒー750mL 砂糖スティック7本
子どもたちは,「どのコーヒーが一番甘いのだろうか」という問いのもと,個々人で調べていきました。
私の読みとしては,3つを比べることは難しいけれど,AとB,BとCなら片方の量に合わせればいいから比べられるという発想で動き出すと考えていました。その発想で動いた子は2〜3名で,実際は,10mLあたり,100mLあたり,公倍数(1500ml),1mLあたり,そして砂糖スティック1本あたりと多様な考えが子どもたちから出てきました。さらに,「Bを基準にすると100mLで砂糖スティック1本だから…」と比較をするための基準を設け,その基準と照らし合わせることで,甘い飲み物を言い当てる子も出てきました。
子どもたちの発想の多様さに驚きながらも,「どうやって比べるの?」「量はいくつに合わせればいいの?」「どの方法が効率的なの?」など子どもの「問い」の多様性により,拡散してしまい,統一の見解が出せなかったという反省点が残ります。A君の,「Yさんが調べたことと,同じことを調べたのに結果が違う!」という一言により,子どもの問いが1つにはなりましたが,そこをみんなで深める…という所にまでは至りませんでした。

しかしながら,二本数直線図を使ったYさんの調べ方や,A君の言葉をきっかけに話し合ったおかげで,子どもたちは「単位量あたり」で比べることの有用性に気付き,この考え方が様々な場面で使われていることを捉えることができました。子どもたちの身近な「甘さ」を題材にしたことで,単位量あたりの考えはしっくりきたように思います。単元の最後には,「単位量あたりの考え方は比例の考え方と似ている」という発言も聞かれました。
単位量あたりの考え方が使われている場面は日常生活の中にあふれています。今回の学びが子どもたちの生活に活かせればなぁと思っています。


1aってどのくらい?(4年生面積)
2018/11/16
4年生の面積の学習です。
1平方センチメートル,1平方メートルの広さを学んだ子どもたちが,「もっと大きな面積を表すには…?」という思いをもち,a,ha,平方キロメートルを学びました。1aは1辺が10mの正方形の面積…と頭では捉えたとしても,実際にどのくらいなのかは想像しづらいところがあります。そこで,運動場に出て,1aを作ってみることにしました。
子どもたちは,グループで協力しながら1辺が10mの正方形を描き,1aの広さを実感することができました。この1aが体育館には幾つ入るのかな…前庭にはいくつ入るのかな…運動場には…と想像を膨らませている姿がとても素敵でした。

実習生の授業から学んだこと
2018/10/30
後期教育実習では,1年・2年・4年・5年・6年の授業の指導に入らせていただきました。15名の実習生の皆さんと,楽しく・充実した・深い学びのある算数科の授業とはどうあるべきかを,一緒に考えていきました。

実際に実習生の皆さんが授業をしているのを見ていて,子どもたちの言葉・考えに驚かされる場面が非常に多かったです。例えば,2年生の「かけ算」。2×1から順に,かける数が1増えると答えは2ずつ増えていくことを使って2×10=20までを求めた後に,「次に求めることができるのはどんな式かな?」と聞きました。予想では2×11,2×20のどちらかが来るかな…と思っていたら「2×15」と言ったのです。この子は,かける数を5とびで考え,2×5=10,2×10=20ときたから,2×15=30になると考えました。
また,6年生の「拡大図と縮図」の学習。何倍の拡大図・何分の1の縮図を求める際,比の考え方を用いていたり,「割合の時にやったみたいに,拡大する前をもとにすると」と既習の学びを生かしたりする姿が見られました。
子どもたちの数学的な見方・考え方を働かせるには,そのきっかけとなる数学的事象が必要です。その数学的事象に子どもたちをいかに惹き付けることができるか…そこが私たち授業者が一番力を注がなければならないところだと考えています。
今後も授業の中で,子どもたちが働かせる数学的な見方・考え方を価値付けながら,数学的に考えようとする態度を養っていきたいと思います。

5年生 面積
2018/10/05
4年生の時に習った面積の学習を最大限生かしていきたい!そう思って5年生の面積の単元を仕組んでいます。

単元の1時間目。どういった図形なら長方形に変身できるか,を問いました。子どもたちは自分たちが知っている様々な図形をノートに描きながら,長方形への変身の仕方を探っていました。平行四辺形はできそう,直角三角形もできそう,台形もできそう(ここで考えた台形は等脚台形でした),ひし形もできそう,正三角形は…?変身の仕方を色々と考えながら,子どもたちは基の図形のどこを測ればその図形の面積を求めることができるのか,という思考になってきました。

2時間目。平行四辺形と長方形と比較しながら,底辺と高さの存在を明らかにしていました。

そして,3時間目。平行四辺形の面積の求め方を着眼点として,他の図形の面積の求め方を探っていきました。三角形を2つくっつければ平行四辺形,台形も2つくっつければ平行四辺形,ひし形は半分に切ってくっつければ平行四辺形と,平行四辺形を基準にすると様々な図形の面積が簡単に求められることに子どもたちは気付いていきました。

面積は今までは「量と測定」の領域でしたが,新学習指導要領からは「図形」の領域となります。その視点から面積の単元を見直していくと,今までにはない展開の仕方があり,子どもの思考の流れにも沿っているなぁと感じている所です。

平行のかき方とその性質
2018/09/07
4年生の「垂直と平行」の学習です。

2直線の関係は(いつかは)交わるものと,(どこまでも)交わらない2つに分けられ,後者の方を平行ということを確認しています。

何本かの直線を見て,「平行な直線はどれとどれか」を探らせた後,「なぜこの2本が平行であると言えるのか」と問いました。子どもたちは,「平行でない2本の直線は幅が広がったり狭まったりしているけど,平行な2本の直線の幅は一定だ」と言ったり,「他の直線と同じ角度で交わっているからだ」と言ったりしました。
そして,次の時間。前の時間の学びを生かして,「平行な2直線を自分でかいてみよう!」と投げ掛けました。三角定規をずらすという教科書に載っている方法を知っている子もいましたが,その他にも,
○1本の直線に垂直な2本の直線は平行になる
という方法を編み出した子や,
○基準の直線に垂直な直線をかき,さらにその直線に垂直な直線をかくと,その直線と基準の直線は平行になる
という方法を編み出した子,
○基準の直線の上に,そこから同じ長さにある点を2点とり,結ぶと,その直線は基準の直線に平行になる
という方法を編み出した子もいました。
そしてもう一人。
○2本の直線が垂直かつ互いの中点で交わるように2本引き,縦の線の端と横の線の端の近い所をそれぞれ結ぶと平行になる
この方法を編み出した子にみんなびっくり!!「H君方式」と名付けることにしました。

子どもたちはもっている見方・考え方を働かせて,平行な直線のかき方を編み出すことができます。「平行はこう書くよ」と教えるよりも,子どもたちが平行に対する捉えを深め,実際に使えるようになると考えます。
こうやって平行に対する考え方を深めていった子どもたちと,四角形の学習に入りました。子どもたちが見方・考え方を拡げながら,どんどん新しいことを編み出していく過程を大切にしたいと思います。

4年生の実践
2018/07/30
研究大会で5年生の授業をするということで,ここにも5年生の実践を多く載せておりました。
実は,今年は4年生も担当しております。
4年生の子どもたち…とても元気に学習しています。今日はその一端を御紹介します。

@「4つずつ兄弟だ!」
この言葉は「大きな数」の学習の時にT君が発した言葉です。万の位までが4桁,万の位が4桁,億の位が4桁,兆の位も4桁という所で,T君はこの言葉をあみ出しました。T君のこの言葉のおかげで,子どもたちは「4つずつ兄弟のはずだから,ここには(空位の)0がくるはずだよ」などと言いながら,正しく大きな数を書いたり読んだりすることができました。

A2枚の三角定規を使ってできる角度は?
「角と角度」の学習での一幕です。2枚の三角定規を使うと何度を作ることができるかを子どもたちに考えさせました。すると,できた角度が15°刻みになっていることがわかります。そこで,「だったら165°もできるのでは?」となり,チャレンジさせました。2枚の三角定規の組み合せだけで165°と言い切ることは難しいですが,180°との関係から165°を導き出すことはできます。子どもたちは見方を変えて180°を超える角度も導き出していました。

B0はどこに増えているの?
「小数」の学習での一コマです。
子どもたちは整数を10倍すると,一番下の位に0が一つずつ増えること,ある数Aを10倍した数Bを元に戻すには1/10すればよいことを知識としてもっています。
1の1/10は0.1。では,0.1の1/10はどう表現すればよいか。整数は1/10すると0が一つずつ減っていきます。そして,1を基準に今度は小数になるので0が増えていきます(0.01,0.001…)。この時に増える0はどこの0なのかが議論となりました。ある子は1の隣の0と言ったり,ある子は一の位の0と言ったり,またある子は小数点の右側の0と言ったり…この議論を通して,1/10するとはどういうことなのかを話合い,学びを深めていくことができました。

このほかにも,4年生の子どもたちの素晴らしい学びがたくさんあった4ヶ月でした。今後は,工夫した教材を通して子どもたちの学びが深まるようにし,その実践を紹介できればと思います。

研究大会お礼(整数の性質)
2018/07/02
6月29日に行われた研究発表大会には,県内外より約400名の参加がありました。当日は雨が降り,お足元の悪い中でしたが,たくさんの先生方に参加していただき,大盛況の中,研究大会を終えることができました。

私は5年生で,「整数の性質」の授業を行いました。自分に与えられた数のカードを持ち,2チーム・3チーム・4チームに番号順に並んでいく活動を通して,自分はどこに並べばいいかを考えることに取り組みました。左から順に1・2・3…と並んでいくと,一番右の列が常にチーム数のかけ算の答えになっていることから,倍数を捉えさせました。
偶数・奇数では2でわると割り切れるものと割り切れないものに分けることができます。この見方・考え方を生かし,倍数につなげたいと考えました。「倍数」はこちらが教える形にはなったのですが,子どもたちは数の順に沿って並ぶ活動から,数に対しての見方・考え方を多様に働かせ,自分たちがどこに並ぶのかを考えることができました。

協議会では,多くの御示唆をいただくことができ,私自身非常に勉強になりました。今回の学びを次に生かしていけるように,今後も精進いたします。

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